ここではあえて、ある程度真面目にやれば、博士は取れると言っておきます。博士には2種類あって、コースドクターと言われる博士課程に入って取る学位と、論文博士という学会などへの提出論文が認められて、学位を取る場合もあります。
ある程度真面目にやれば取れる博士号は、コースドクターです。論文博士の場合は大学にいなくても、大抵はどこぞの大学の教授とコネがある場合ですが(やっぱり、お墨付きは必要な訳ですが)、研究環境は在学生より劣悪なので、論文博士になれる人は、コースドクターほどの量産にはなりません。
なので物理学者になるためには、コースドクターが近道な訳ですけど、言いたいのは、博士を取ったからといって必ずしも学者になれるとは限らない、という事です。学者認定制度ねんてないですから・・・。学者になれるかどうかなんて、やってみなけりゃわかりません・・・。
逆の例として、田中耕一さんをあげておきます。今では市井の科学者という言葉は、ほとんど聞かなくなりましたが、2002年のノーベル化学賞を受賞した田中さんは、間違いなく市井の科学者です。経歴を調べてみると学部で留年はするわで、ノーベル賞を取るまで、博士ですらありません。現在は博士ですが、それもノーベル賞を機に、出身大学から贈られた「名誉博士」です。
田中さんは、仕事をしていたら、いつのまにか学者になってしまった、実質の論文博士という幸運な例ですが、自他共に認める学者ではないみたいです。他は認めても、自分では学者と思っていないようです。
市井の科学者なんて、今の年齢では理想論のように聞こえると思いますが、だとすればなおさらです。結局、皆さんの仰られるように、どこまでの覚悟とやる気を維持できるかだと思います。
本気で転針するなら、少なくとも数年のスパンを見渡した、物理学科コースドクターへの具体的な算段や段取りを、今から考える事をおすすめします。二十歳を過ぎると、三十路は駆け足でやって来るんですよ・・・(^^;)。
本気ならばそのために、ここの板を利用する事も、大いにお薦めします(^^)。