- ベストアンサー
認知症の方の精神障害者保健福祉手帳について
- 認知症の方の精神障害者保健福祉手帳について調べてみました。アルツハイマー型認知症の進行により介護保険施設に入所している70~74歳の男性(仮にAさんとします)がいます。ADL面は自力でできることが多いですが、精神症状が時折見られ、抗精神病薬も使用しています。家族が障害者手帳の申請について疑問を持っています。
- 精神障害者保健福祉手帳は、認知症を含む精神疾患の方が申請することができます。手帳を持っていると、何らかの優遇が受けられる可能性があります。ただし、手帳申請の際には精神科の受診歴が必要であり、診断書を提出する必要があります。施設入所している方でも手帳を持つことができますが、具体的なメリットについてはわかりません。
- 申請ができるかどうかは、個々の状況や基準によって異なる可能性があります。障害者手帳の申請については、精神障害医療受給者証の交付要件に基づいて審査が行われます。具体的な理由については詳しくわかりませんが、診断書や精神科の受診歴が重要な要素とされると考えられます。素人の私にもわかりやすく説明していただけると助かります。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
障害者控除の活用を最大の目的にしているのであれば、必ずしも精神障害者保健福祉手帳の交付を受ける必要はありません。 というのは、以下でお示しするように、各種の障害者手帳(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳)を持っている方と同等以上の障害の程度を持つ、と市区町村長に認定してもらえれば、障害者控除の適用対象になるからです。 障害者控除とは、確定申告や年末調整のときの税額の軽減につながるものです。 税額は、収入全体から経費として差し引けるもの(これが「控除」で、障害者控除はその1つです)を差し引いた残りに、一定の税率を掛けて導かれます。 ですから、障害者控除は、税額そのものから差し引かれるわけではなく、税額の計算の元になる収入全体の額が軽減される、というしくみです。 障害者本人の税額の計算のときはもちろん、障害者(障害者控除の対象となる人)を扶養親族等にしている家族の税額の計算のときにも適用されます。 以上のようなことを踏まえていただいて、まず、精神障害者保健福祉手帳の制度の根拠からお示ししたいと思います。 以下のとおりです。 専門職向けではありますが、一般の方にも決してわかりにくい内容ではありませんので、ぜひ1度目を通していただくと納得できると思います。 ◯ 精神障害者保健福祉手帳制度実施要領 平成7年9月12日健医発第1132号/厚生省保健医療局長通知 最終改正:平成23年1月13日障発0113第1号/厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知 適用:平成23年4月1日から 内容:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110524Q0052.pdf <特に留意すべき事項> 精神保健指定医・精神科医を受診し、受診後6か月後以降を経たときの診断書によって申請しなければならない。 但し、内科医など他科の医師であっても、精神障害の診断または治療に従事している医師であれば、その旨を診断書に特記することにより、その医師の診断書で良い。 (初診から6か月を経ないと、手帳交付を申請できない。) <有効期限> 手帳の有効期限は2年間である。都度、再度の診察を受けて診断書を再提出し、更新しなければならない。 <内容の詳細> ・ 申請手順、申請書様式、診断書様式 ・ 手帳交付手順等 ◯ 精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準 平成7年9月12日健医発第1133号/厚生省保健医療局長通知 最終改正:平成23年3月3日障発0303第1号/厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知 適用:平成23年4月1日から 内容:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110524Q0042.pdf ◯ 精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準の運用に当たって留意すべき事項 平成7年9月12日健医精発第46号/厚生省保健医療局精神保健課長通知 最終改正:平成23年3月3日障精発0303第2号/厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長通知 適用:平成23年4月1日から 内容:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110524Q0022.pdf ◯ 精神障害者保健福祉手帳の診断書の記入に当たって留意すべき事項 平成7年9月12日健医精発第45号/厚生省保健医療局精神保健課長通知 最終改正:平成23年3月3日障精発0303第1号/厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長通知 適用:平成23年4月1日から 内容:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110524Q0032.pdf 器質性精神障害の記入例:http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110524Q0035.pdf (認知症は器質性精神障害に含まれ、精神障害者保健福祉手帳の交付対象である) 次に、障害者控除のしくみです。 所得税と住民税(市区町村民税、都道府県民税)それぞれにあります。 ただ、住民税の場合も、所得税での障害者控除を受けることがまずは前提となるので、以下を参照して下さい。 ◯ 障害者控除(所得税) http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1160.htm 障害者控除の対象者(次のいずれかに当てはまる人) 1.常に精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態にある人 2.児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人(⇒ 療育手帳の交付を受けた人) 3.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人 4.身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人 5.精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が1、2又は4に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人 6.戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人 7.原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人 8.その年の12月31日の現況で連続6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人(⇒ 5に準じて市町村等からの寝たきり認定を受けた人) ◯ 必ずしも精神障害者保健福祉手帳を受ける必要はない http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1185.htm 上記「障害者控除」で記したとおり、障害者控除の対象となる障害者は限定列挙されている。 介護保険法の要介護認定の必要性までは規定されていない。 したがって、精神又は身体に障害のある65歳以上の人で、障害の程度が知的障害者又は身体障害者に準ずるものとして市町村長等の認定を受けている人は、介護保険法の要介護認定の有無にかかわらず、上記の市町村長等の認定を受けられさえすれば、障害者控除の対象となる。 市区町村長等による認定方法については、お住まいの市区町村によって微妙に手順が違います。 したがって、ご面倒でも、お住まいの市区町村(施設入所前の住所地)の市民税担当課や高齢者福祉担当課などに、必ず、事前にお尋ねになっていただきたいと思います。 通常、要介護認定を受けている人の場合はそのデータを活用し、また、長谷川式スケール等での検査数値を参照して、新たに診察等を受けることなしに障害者控除の対象者としての認定を受けられることになっています。 私としては、精神障害者保健福祉手帳を新たに取るよりも、可能ならば、こちらの方法に拠ったほうが簡単だと思います。
その他の回答 (2)
- kurikuri_maroon
- ベストアンサー率85% (1980/2320)
回答2で補足質問をいただきました。ありがとうございます。 以下、補足質問に回答させていただきます。 まず、内科医の方について。 この内科医の方が、例えば施設の嘱託医なり管理医師などとして、常時のように精神障害(認知症もこの中に含まれます)の診断または治療に従事しているのであれば、精神障害者保健福祉手帳制度実施要領から言って、この内科医による診断書でも差し障りないものと思われます。 ただ、慎重を期すのであれば、精神保健指定医(精神保健福祉法に基づいて都道府県から指定を受けた医師)又は精神科医による診断書であることが原則になっていますから、あらためて精神科を受診したほうが良いかもしれません。 このあたりは、私には何とも申し上げられません。 実施要領によって内科医でも良いとされている、ということをお示しするにとどまります。 あしからずご了承下さい。 次に、6か月うんぬんについて。 精神科医を初めて受診し、その医師に診断書を書いていただきたいのであれば、必ず、初診から6か月が経ってからでないといけません。 これは、6か月経過後以降の診断書でなければ認められないからです。 つまり、初診日から6か月を過ぎなければ、どうあがいても手帳の交付を申請できません。 以上のような事情もありますし、また、有効期限が2年限りということもあるので、正直申し上げて、精神障害者保健福祉手帳にこだわり過ぎることは得策とは思えません。 なぜならば、有効期限の2年を迎えたら、また最初から振り出しに戻って手続きを繰り返すことになるのですから。 そのあたりも、このAさんのご家族にちゃんと伝わるといいですね‥‥。 なぜそこまで手帳にこだわるのかが、正直申し上げて、私には理解できませんでした。
お礼
とても詳しい説明、ありがとうございました。 私にとっても勉強になりました。
- koni1956
- ベストアンサー率39% (232/582)
おはようございます 「精神障害者保健福祉手帳」を保持されていると、確定申告のときに障害者控除(所得控除)が受けられます。介護保健施設(老健)に入所中とのことですが、老健の場合は入所されても住民票移動はされないと思いますので、ご本人様は家族の方の扶養家族であると思われますので、控除は受けられると思います。 申請できるのは、該当する精神疾患と診断されてから6ヶ月以上経過してからです。 おそらく、Aさんは六ヶ月以上経過していると思います。 アルツハイマー型認知症は内科受診で診断されたのでしょうね。 「精神障害者保健福祉手帳」の交付申請には「手帳申請用の診断書」が必要です。 指定の様式があります。また、診断書は精神保健指定医に書いていただく必要があります。 ということで、精神科の受診が必要だと思われます。 精神病院のスタッフは手帳申請の手続きには慣れていらっしゃいます。 指定の診断書も病院に準備されていると思います。 受診された精神科の相談員(PSW)さんに相談されたら、申請の代行もしていただけると思います。 失礼しました
お礼
ご回答ありがとうございました。 私もいろいろ調べてみたのですが、精神科のお医者さんに診断書を書いていただくのが原則みたいですね…。 ご家族の方に、そのようにアドバイスしてみようと思います。
お礼
補足への説明も合わせて、ありがとうございました。 やはりAさんの家族は「税金の控除」を考えていたようです。 ただ、私が住んでいる市町村の規定がアバウトすぎて(捉え方によっては身体障害か知的障害がある方のみしか障害者控除を受けられないようなのです…)、それで手帳を取った方がよいと考えたようです。
補足
ありがとうございます。もう一つ質問させてください。 手帳申請のために、特に留意する点で「精神保健指定医・精神科医を受診し、受診後6か月後以降を経たときの診断書によって申請しなければならない」とあり、但し書きで「内科医など他科の医師であっても、精神障害の診断または治療に従事している医師であれば…」とあります。 Aさんは、恐らく内科でアルツハイマー型認知症と診断されましたが、その内科の先生がこの但し書きにあてはまるのか、また、現在は老健に入所されていますので、そこの管理医師の先生がAさんの主治医ということになっているでしょうが、その先生がこの但し書きにあてはまるのかはわかりません。 その場合、Aさんの家族がどうしても精神障害者保健福祉手帳を申請したいとなると、Aさんは精神科を受診し、その受診日から6か月経たなければ手帳を申請できないのでしょうか。 家族はあくまで「手帳」にこだわっているそうなのです…。