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床の間かかっている掛け軸の意味をおしえてください。
「竹憐新雨後山愛夕陽時」とあります。 この句はどの様な意味でしょうか。出典は何かあるのでしょうか。 お教えください。
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以下のとおりです。 参照 http://www.zwbk.org/zh-tw/Lemma_Show/2783.aspx 中国語なので訳しておきます。 穀口書斎寄楊補闕 唐代 五言律詩 作者:銭起 泉壑帯茅茨,雲霞生薜帷。 竹憐新雨後,山愛夕陽時。 閑鷺栖常早,秋花落更遅。 家童掃蘿径,昨与故人期。 註釈 ・ 穀口=谷口:古地名,現在の陝西涇陽県西北。 穀 の簡体字(中国大陸現代標準字体)は 谷. ・ 楊:人名。 ・ 補闕:官名,職責は皇帝に諫言を言上。 ・ 茅茨:茅屋(ぼうおく、あばら家、質素な住居)。 ・ 泉壑:この詩では山水、溝や谷のこと。 ・ 薜:桑科の匍匐性植物。 ・ 憐:日本現代語のあわれでなく、可愛い,愛しい. ・ 新雨:今しがた降りやんだ雨。 ・ 山:自分の住む山、穀口のこと...であろう。 ・ 家童:召使の少年。 ・ 蘿径:幽径、小径。 ・ 昨:以前、もと。 *漢文読み下しは、漢詩ノート碌碌山房 http://rokurokusambo.web.fc2.com/pages/oi/senki/137/senki137.htm *書籍は(招請未見です)、 http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/5697978.html 下から5番目 楊君に = 谷口書斎寄楊補闕 ☆念のため意味を解釈しておきます。 「穀口の書斎にて楊補闕に寄す」 山水や谷がこの茅屋を擁し(=山の水流や溝に囲まれたあばら家)、 雲霞は垣の上の蔓草を五彩の幕のように際立たせる。 (垣根のつる草が霞で五色の幕の様だ) 雨後の竹の姿は愛しく(=人の心を惹く)、 山は夕陽の時を愛しむ(=夕陽の山が美しい)。 のんびりした鷺はいつも早々と巣に就き、 秋の花の落ちるのは余所よりも遅い。 家僕は幽玄の小径を掃除する、 既に知人と約束した(=知人が来る)からだ。 *作者銭起とは、 http://baike.baidu.com/view/16910.htm 銭起(751年前後在世),字(あざな)仲文,漢族, 呉興(現在の浙江省湖州市)の人,若い頃科挙試験を数回受けるが落第, 唐天宝七年(748年)進士。唐代詩人。 註:漢文読み下し(上記URL碌碌山房)では 雲隨生薜帷。とあるが 雲霞生薜帷。を採りました。 漢詩は時代による改変が多いのですが、後者が出典明確のため。 参照 http://ctext.org/text.pl?node=153440&if=gb なお、簡体字以前の字体を使用の出典には「穀口」とあるので、 「谷口」表記は新しいと推定。 この推定が正しければ、 簡体字が施行された1956年以降の書だと考えられます。 ついでに--単純な誤記とは思いますが、 「床の間かかっている掛け軸」は、 床の間にかっている掛け軸 or 床の間の掛け軸 としましょう。 床の軸 でも充分です、日本語では ゆかのじく とは読みませんから。