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Na+はなぜ安定なのですか
初歩的な質問ですみません。 図表によると Naの電子親和力、第一イオン化傾向はともに正ですが、 これから考えるとNaは電子を放出するよりも受け入れやすく、 Na+よりNa-の方が安定であるかのように思え、オクテット則に反してしまいます。 上の考え方はどこが間違っているのでしょうか。 是非教えてくださいm(_ _)m
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#3 前半はいいと思いますが 後半がちょっと「?」 >たとえば、NaとClがあるときイオン化エネルギーが小さいのはNaです。 電子親和力が大きいのはClです。ですから、Naが電子を出してClが受け取った方が 全体として安定になるのです。 イオン化エネルギー Na 496 Cl 1251 電子親和力 Na 53 Cl 349 (単位はkJ/mol) これを書きなおします。 (A)Na=Na^+ +e^- -496kJ Cl+e^-⇒Cl^- +349kJ Na+Cl=Na^+ +Cl^- +Q1 Q1=-47kJ (B)Na+e^-⇒Na^- +53kJ Cl=Cl^+ +e^- -1251kJ Na+Cl=Na^-+Cl^+ +Q2 Q2=-1198kJ Q1,Q2はどちらも負です。 (Na,Cl)、(Na^+、Cl^-)、(Na^-、Cl^+)という3つの組み合わせが出てきます。 全体として安定になる組み合わせはこの数字から言えば(Na,Cl)です。 >そして、Na+とCl-がイオン結合をすると更に安定になるのです。 ではなくてイオン結合で安定化するという部分が一番重要なのです。 wikiで「格子エネルギー」を見ると >Na+(g) + Cl-(g) → NaCl (s), ΔH0 = -785.53 kJ mol-1[2] (格子エネルギー:U = 785.53 kJ mol-1) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%AD%90%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC (A)の変化に対応するエネルギーは Na(g)+Cl(g)=NaCl(s)+738kJ 発熱反応になります。 (B)の変化に対応する変化では格子エネルギーでは不足しています。吸熱反応のままです。 (イオン半径が異なりますから738kJという数字をそのまま使うことはできません。Na^-のイオン半径はNa^+のイオン半径よりもかなり大きくなりますから格子エネルギーは785kJよりも小さくなるはずです。) 物質としての安定性を考える時は Na(固)、Cl2(気)で比較しないといけません。 Na(固)⇒Na(気)⇒Na^+(気)+e^- という変化です。 これについてはKClの場合についてwikiの中で説明しています。参考になると思います。 別の質問にも書いたのですが正のイオンだけでできた集合体、負のイオンだけでできた集合体は存在しません。固体であっても水溶液であっても常に正負のイオンが、電荷の総量が等しくなるような割合で共存しています。静電エネルギーの効果というのはそれだけ大きいのです。物質として安定に存在するかどうかを考えるときは静電エネルギーの効果を抜かすわけにはいかないのです。 熱化学方程式の中にNa^+(g)、Cl^-(g)という表現があるからと言って正のイオンだけが集まった気体、負のイオンだけが集まってできた気体が存在すると思ってはいけません。ここでの(g)は孤立したイオンを考えているという意味です。数式的に言うとイオンとイオンの距離は無限大です。こうしないとエネルギーの基準を設定できないからです。イオンとイオンの間に力が働けば基準になりません。中性の粒子の場合は少し離れれば力は働かないとしていいのですがイオンの間に働く力はどこまでも影響が及ぶのです。イオンについて容器に入っている気体のイメージを持ってはいけません。e^-(g)という表現でも同じです。電子だけの気体が存在するという回答を書かれた方がいましたがこういう表現を見ての誤解ではないでしょうか。
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- Saturn5
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>Naの電子親和力、第一イオン化傾向はともに正で、Na+よりNa-の方が安定 確かにNa原子の事だけを考えると伝sにを取るよりも受け取った方が安定になります。 もっというと、全ての原子についてイオン化エネルギーは正であり、ほとんどの原子について 電子親和力は正なのです。 ほとんどの原子は陰イオンになる方が安定だと言えます。 しかし、Na-にするために電子はどこからくるのでしょうか? 自然界には単独の電子は存在せず、どこか原子が出さねばならないのです。 また、たとえ宇宙から電子が降り注いだとしても全ての原子が陰イオンになると原子としては 安定になっても、結合エネルギーが失われるので物質としては不安定になります。 たとえば、NaとClがあるときイオン化エネルギーが小さいのはNaです。 電子親和力が大きいのはClです。ですから、Naが電子を出してClが受け取った方が 全体として安定になるのです。そして、Na+とCl-がイオン結合をすると更に安定に なるのです。
- MarcoRossiItaly
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質問者さんの疑問はごもっともです。一言で言えば、電子を放出するために必要なエネルギー(イオン化エネルギー)の面では不利であっても、クーロンエネルギーの面では得なので(詳しくは量子力学の知識が必要)、差し引きでオクテットになりやすいということです。 参考URLに載っていることを全部読まれると、質問者さんの疑問も全部解決しそうです。
- alwen25
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それでは、フリーの量子化学計算ソフトで Na+とNa-のどちらがエネルギーが高いかを 計算してみるといいと思います。 オクテット則は、化学の古典理論の話で 現在の化学理論に合えば成立しなくても いいのです。 少し意味は違いますが、水素分子で オクテット則が成立していると思いますか。
お礼
分かりやすい説明をありがとうございます(^-^) かなりスッキリしました