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国立西洋美術館のモネの睡蓮
この作品は晩年の作らしいのですが、睡蓮の葉が連作の初期のころに比べて異常に朝兄の彩りが強く、補色の限度を超えているように、素人の感覚では覚えます。晩年白内障を患ったそうですが、そのせいか、または光をより強く表現したのでしょうか、それとも象徴主義の影響が彼にも出始めていたのでしょうか。この作の名画たる所以をご教示下さい
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私は「名画たる所以」などを論じられる通ではないので、素人のつぶやきです。 モネは、同じモチーフを連作として創作することが多く、「睡蓮」もその一つですね。 パリのマルモッタン美術館で、睡蓮の連作を何十点か見て圧倒されました。おそらく、季節、天候や時間で同じものが時々刻々違って見えることに対して、その瞬間をどう表現するか、できるか、ということに挑戦し続けた、ということなのだと思います。「名画」とか、高い芸術性を追い求めたというよりは、「職人」の意地・執念のようなものを感じました。単なる素人の思い込みですが。 一連の連作を見ていると、確かに最晩年の1920年ごろ以降の「睡蓮」は、ボーっとして、「へたくそ」「手抜き」のように見えました。それが視力の低下、ほとんど見えなくなっても描き続けたせい、と知って、逆に胸を締め付けられる思いがしました。「職人」と感じたのは、そんな理由もあります。(解説書などには、「抽象画に近づいた」などと肯定的・芸術論的な書き方がされていますが、そんなものではないような気がしています) 同じパリのオランジュリー美術館には、巨大な360°の「睡蓮」に囲まれるモネの部屋があります。最晩年の睡蓮のようです。モネは、この絵を死の年まで描き続け、死後に寄贈する条件として、自然光のもとに展示することを要求したそうです。そんなところにも「光」や「色」にこだわる「職人」を感じます。