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赤外線吸収スペクトルについて
N2、HCl、H2Oなど様々な分子の中で中赤外光を吸収する分子を選択するとき、具体的にどのような計算をすればいいのでしょうか?高校のときに化学を勉強したとき、赤外線吸収スペクトルに関して軽くふれる程度でどの分子がどれだけ光を吸収するかなどの方法がいまいちわかりません。 ご教示して頂けると幸いです。よろしくお願いします。
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- waamos
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赤外光の電場を Ecos(2πνt)、分子の双極子をμと置くと 入って来た赤外光による摂動は H' = - μ・Ecos(2πνt)になります。 基底状態Ψ1から励起状態Ψ2への遷移双極子モーメントμ(1,2)は μ(1,2) = ∫ Ψ2* H' Ψ1 dQ で計算できます。 積分は振動の基準座標Qで行います。 例えばHClなら、H - Clの結合軸上にx軸を取って基準座標とすれば μ(1,2) = ∫Ψ2(x)* μ Ψ1(x) dx と計算できます 実際に計算することはまれで、分子の対称性を考えて μ(1,2)が0か否か(つまり遷移が禁制か否か)だけ調べる事がほとんどです。 物理化学の教科書の索引で「遷移双極子モーメント」をしらべると、 具体的な計算例が見つかると思います。大学の図書館か生協で立ち読みしましょう。
- waamos
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どの分子が吸収するか?⇒「双極子モーメントが変化するような振動モードを持つ分子」 吸収強度はどのぐらいか?⇒「そのモードの遷移双極子モーメントの大きさ」 どの波長が吸収されるのか?⇒「質量と結合強度で決まるモードの振動数と一致する波長」 具体的には遷移双極子モーメントμ(f,i)という量を計算します(紛らわしいのですが遷移双極子モーメントμ(f,i)と単なる双極子モーメントμは別物です)。μ(f,i)は光学遷移、つまり光を吸収してエネルギー状態が変わる確率に比例します。細かい計算は物理化学の教科書を参考にして下さい。オチだけ言ってしまうと、赤外光で双極子モーメントμが変化するような振動モードを分子が持てばμ(f,i) ≠ 0で赤外光を吸収します。
補足
回答ありがとうございます。 確かにこの問題の前に核物質の双極子モーメントの数値の表が ありまして、この数値と関連するかと思い調べてみました。 物理化学の参考書では分子の振動遷移をを利用して電磁波を吸収すると 最低の振動エネルギー準位から振動励起状態に遷移が起こると かいてあったのですが、具体的な計算方法がどこにも書いてなく ちょっと困ってます。どれか1つの物質が赤外線を吸収するか 教えて頂けるとありがたいのですが・・・