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生物 誘導とは
高校生物Iで出てくる 「誘導」を 説明してくれませんか? 教科書を読んでも いまいちよくわかりません。
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このサイトの説明はどうですか。 http://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/2010/tv/seibutsu/archive/resume014.html 形成体と誘導 この不思議な現象を説明するためにシュペーマンは次のような考え方を導入しました。 原口背唇が陥入して予定神経域に接している時期に、原口背唇から何らかの働きかけが予定神経域にされて予定だったものが決定する。この原口背唇のように、その運命を決定づけるものを形成体、未分化な細胞のグループに働きかけることを誘導、とシュペーマンは名付けました。 この形成体による誘導という考え方はそれまでの発生学にはありませんでした。現在はこの誘導という現象が発生学を研究していく上での基礎の部分として扱われています。シュペーマンはこの功績でノーベル賞を受賞しました。 誘導の連鎖 形成体として働いているのは原口背唇だけではありません。一例としてヒトの目の形成を見てみましょう。目というのは外胚葉が変化してできます。眼杯という部分から誘導物質が出てくると表皮の一部が水晶体に変わります。そして水晶体が更に表皮に誘導をかけると、今度は表皮が角膜に誘導されていく、これを誘導の連鎖と呼びます。私たちの体の中ではこのように誘導が次から次へとドミノ倒しのように行われることで体の各部分が出来てきます。 誘導物質アクチビン イモリの卵の中で将来細胞の役割を決める物質があります。そのひとつがアクチビンです。将来表皮などになるイモリの胞胚の一部分を切り取り、アクチビンの入った生理食塩水と入っていないものにそれぞれ入れて変化を見ます。ただの生理食塩水に入れておいた方は細胞に変化は見られませんが、アクチビン溶液に浸したほうは、やがて内部に心臓のように動くものができました。アクチビンが細胞を誘導し分化を促したのです。 更にはアクチビン溶液の濃度の違いによって血球ができたり、筋肉、脊索、心臓、肝臓などさまざまな臓器をつくることができることが分かっています。 未分化な細胞に、形成体の細胞から何らかのたんぱく質が放出され、それを受け取った未分化な細胞の特定の遺伝子のスイッチがオンになりある種のタンパク質がつくられ、例えばそれが心臓になったりします。一方別のタンパク質が来た場合、別の部分の遺伝子のスイッチがオンになり、例えば肝臓になったりします。細胞は全て同じ遺伝子を持っているのですが、どの遺伝子のスイッチが入るかということで体の各部分が何に分化していくか違うのです。 http://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/2010/tv/seibutsu/archive/resume015.html 成体での体づくりのしくみ=誘導・分化 血球をつくる幹細胞を造血幹細胞といいます。未分化な造血幹細胞が誘導され、赤血球、白血球、血小板などに分化していくのです。 これは、前回見た図です。カエルの発生の過程で未分化な細胞に心臓になるように誘導すると、心臓をつくる遺伝子にスイッチが入り心臓へと分化します。また肝臓になるように誘導すると、肝臓をつくる遺伝子にスイッチが入り肝臓へと分化します。 血液をつくる場合も同じです。未分化な造血幹細胞を赤血球になるように誘導してやると赤血球になり、白血球になるように誘導してやると白血球に分化します。私のように大人になって体がすっかりできあがった後でも、この未分化な細胞を誘導して分化させるということが常に行われていて、私たちの身体を作る細胞は次々に交代していっているわけです。 成体での体づくりのしくみをまとめると、体の中に幹細胞という未分化な細胞があって、この細胞が細胞分裂で数を増やしながら、分化して新しい細胞をつくり出していくということになります。
お礼
よくわかりました!! 本当に ありがとうございました☆