「分子量が小さいにもかかわらず、酸の沸点はなぜこのように高い」というのは、要するに分子量が大きければ分子間の引力が強くなるから沸点は上がるでしょ、ということを言いたいのだと思います。
ところが、分子間の引力はいわゆる万有引力、つまり質量に依存するものだけではないですね。
極性分子がどうとか、電荷がどうとか、そういう問題があるからです。
メタン CH4 分子量16 融点-182.5℃ 沸点-161.6℃
アンモニア NH3 分子量17 融点-77.7℃ 沸点-33.3℃
水 H2O 分子量18 融点0℃ 沸点100℃
フッ化水素 HF 分子量20 融点-84℃ 沸点19.5℃
シラン SiH4 分子量32 融点-185℃ 沸点-112℃
ホスフィン PH3 分子量34 融点-134℃ 沸点-87.8℃
硫化水素 H2S 分子量34 融点-85.5℃ 沸点-60.7℃
塩化水素 HCl 分子量36.5 融点-114℃ 沸点-85℃
周期表で酸素の周りの原子に水素をくっつけてみた結果、酸素がぶっ飛んで融点沸点が高いですね。