これってコーシーの積分公式の矛盾!?
ルベーグ積分と複素積分の関係についての質問です。
先ず,定義等を説明させてください。
(Ω,∑)を可測集合とする。
(1) μ:∑→Cを0=μ(φ)≦|μ(G)|<+∞ for ∀G∈∑.
(2) {G_k}_{k=1}^∞⊂∑が互いに素 ⇒ |μ(∪_{k=1}^∞}G_k)|=∑_{k=1}^∞|μ(G_k)|
を満たす時,μは複素測度をなすという。
次にB(C)をC上のボレル集合体,A:={{x+iy∈C;x∈(Re(a),Re(b)],y∈(Im(a),Im(b)]}∈2^C;a,b∈C}}を表すとする。この時,
∀a,b∈Cに対して,μ_0:A→CをA∋∀{x+iy∈C;x∈(Re(a),Re(b)],y∈(Im(a),Im(b)]}→μ_0({x+iy∈C;x∈(Re(a),Re(b)],y∈(Im(a),Im(b)]}):=Re(b)-Re(b)+i(Im(b)-Im(a))と定義すると,
μ|_A=μ_0でμ:B(C)→Cが複素測度となるようなものが一意的に存在する(∵拡張定理)。
次に,測度空間(Ω,∑,μ)において,f:Ω→Cを∑可測関数とし,f_Re^±(z):=max{0,±Re f(z)},f_Im^±(z):=max{0,±Im f(z)} (複合同順)と定義すると,
これらは実数値関数で Re f_k \nearrow f_Re^±(z), Im f_k \nearrow f_Im^±なる∑可測な単関数の列 (Re f_k)_{k=1}^∞,(Im f_k)_{k=1}^∞ が存在する(∵某命題)。
因みに,∑可測な単関数 Re f_kにはRe f_k(z)=∑_{m=1}^k a_m I_{G_m}(z) (但し,a_m∈R,G_m∈∑, I_{G_m}は特性関数) なる(a_m)_{m=1}^k∈R^kと(G_m)∈∑^kが存在する。
この時,
∫_Ωfμ:=
sup{∑_{m=1}^k a_m Re μ(G_m)∈[0,+∞);∑_{m=1}^k a_m I_{G_m}(z)≦f_Re^+(z) for∀z∈Ω}
-sup{∑_{m=1}^k a_m Re μ(G_m)∈[0,+∞);∑_{m=1}^k a_m I_{G_m}(z)≦f_Re^-(z) for∀z∈Ω}
+i[sup{∑_{m=1}^k a_m Im μ(G_m)∈[0,+∞);∑_{m=1}^k a_m I_{G_m}(z)≦f_Im^+(z) for∀z∈Ω}
-sup{∑_{m=1}^k a_m Im μ(G_m)∈[0,+∞);∑_{m=1}^k a_m I_{G_m}(z)≦f_Im^-(z) for∀z∈Ω}]
をfのルベーグ積分という。
続いて,ルベーグ積分に基づく複素積分の定義です。
J:[a,b]→Cをジョルダン曲線とし,P:=∪_{2≦k∈N}{(p_m)_{m=2}^k∈(a,b)^k;(p_m)_{m=2}^kは増加列},
δ:P→(p,b-a)をP∋∀(p_m)_{m=2}^k→δ((p_m)_{m=2}^k):=max{p_2-p_1,p_3-p_2,…,p_{k+1}-p_k} (但し,p_1=a,p_{k+1}=b)と定義する。
この時,
lim_{n→∞}∪_{(p_m)_{m=2}^k(n)∈δ^{-1}(1/n)}{
∑_{m=1}^k(n) inf f_Re^+(J(p_m,p_{m+1})) Re μ((J(p_m),J(p_{m+1})])
- ∑_{m=1}^k(n) inf f_Re^-(J(p_m,p_{m+1})) Re μ((J(p_m),J(p_{m+1})])
+ i(∑_{m=1}^k(n) inf f_Im^+(J(p_m,p_{m+1})) Im μ((J(p_m),J(p_{m+1})])
- ∑_{m=1}^k(n) inf f_Im^-(J(p_m,p_{m+1})) Im μ((J(p_m),J(p_{m+1})])}
={l}
(ここでk(n)はnのよって決まる自然数) なるl∈Cが存在する)時,fは複素積分可能という。
因みに, J([a,b])は閉集合なのでルベーグ可測集合であり,
inf f_Re^+(J(p_m,p_{m+1}))はルベーグ積分でのa_mに相当,
そして,
(J(p_m),J(p_{m+1})]はルベーグ積分でのG_mに相当してます。
さて,本題ですが、、
Jがジョルダン閉曲線の場合,始点と終点は重なってるので
μ(J([a,b]))=lim_{n→∞}∪_{(p_m)_{m=2}^k(n)∈δ^{-1}(1/n)}{∑_{m=1}^k(n) μ((J(p_m),J(p_{m+1})])=0
となり,J[a,b]は零集合になると思います。
そこでf:C→CはJ([a,b])上とJの内部で正則な関数とし,c∈CはJ内部の点とする時,
1/(2πi)∫_J f(z)/(z-c)dz=f(c)
となりますよね(コーシの積分公式)?
しかしJ([a,b])は零集合なのでfやcのいかんにかかわらず常に積分値は0となってしまうと思うんです。
、、なので
コーシーの積分公式は
1/(2πi)∫_J f(z)/(z-c)dz≡0
となってしまい矛盾が生じてしまいます。
私は何処を勘違いしてるのでしょうか?
お礼
ありがとうございます。 (1)についてですが、exp(z)=e^x(cos(y)+isin(y))と書けますから、それがζ=a+ibと等しいとして、連立方程式e^x*cos(y)=a, e^x*sin(y)=bとしてこれを解けばいいのでしょうか?そして最後に、a,bをζで書き表すということで。Re(ζ)=a、Im(ζ)=b、|ζ|=√(a^2+b^2)というように。 (2)については、自分なりに考えたんですが、答えは半径e^a、中心Oの円ではないでしょうか?しかし、Im(z)=bのときは、同様にやればいいのでしょうか?z=x+ib(x∈R)で、f(z)=e^z=exp(x+ib)=e^x(cox(b)+isin(b))で、これは原点からの角度bへの半直線と考えたらいいのでしょうか? 最後に、長方形領域の場合は、周期が2πだから、0≦Im(z)<2πとして考えて、結果的には、a≦Re(z)≦b、 0<c≦Im(z)≦d<2πだから、最初の不等式で、中心Oの半径e^bの円から中心Oの半径e^aの円をくりぬいたやつが出てきて、次に、半直線で角度がcからdまでの範囲全部が出てくるから、結局その共通部分が答えになるんでしょうか? 長々とすみません。一生懸命考えたつもりです。よろしくお願いします。