単なる素人で、「今物語」というのは見たことがありませんが、今昔物語のことなら、今物語りで検索しても出ませんね。
それと、文の区切り方に異議があります。句点が邪魔です。
どういう情景なのか、誰が言っているのかを、敬語などを参考にしながら思い浮かべて訳すと、「なんと日本語はありがたきかな」、1000年前の文章でも7割くらいは判りますよ。
薩摩守忠度といふ人がいました。(以下、主語は、ほとんど忠度)
ある宮ばらの女房(役職:奥さんではない)に物を申さん(言葉を交わしたい)と思って(出かけたが)、
※「ばら」いまでも使います。・・・ のやつら、程度の意味。
局(部屋または部屋の主の女官)のうえのほう(そば?)でためらったのだが、
思いのほかに夜もふけてしまったので、
(声をかけるわけにもいかず)扇をパタパタとつかい音を鳴らして(自分の存在を)知らせたら
★<此局の心しりの女房、野もせに/すだく/むしのね/や/と/ながめける/を/きゝて>
この局の、情趣というものがわかっている女房が、野一面で鳴いていた虫の音が(鳴かなくなったよ、なぜ?)、と(野を)眺めている風情なのを聞き知って
(忠度は、もう十分だなと)扇を使うのを止めました。
人が寝入った後、忠度と出会ったこの女房は、
なんで扇などをお使いになられたのですか、言ったので
★<いさかしがまし>
(忠度は) まあね、(虫が?)五月蠅く聞こえたのでね、と言いました。
なんとも優雅なことだ。
(で、一首。 5,7,5、7,7)
★<かしかまし //野もせ/にすたく //虫のねよ //我たに物は //いはて社思ヘ>
うるさいよ 野原一面で鳴く、虫たちよ
私でさえ ものはいわないで、心の中で思うものなのに(口に出して五月蠅く鳴くなんて、風雅じゃないわ!)
※歌の最後の「社」はナニ? ミスでなければ、「世間のことを思う」の意味かな?
お礼
ありがとうございました