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重ね合わせの原理
数学が弱くて悩んでいます。 熱伝導の微分方程式で「重ね合わせの原理」により 全て加えたものが一般解とあります。 このことについて高校数学程度のものでもわかりやすい資料や文献
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ちょっと困りましたね。基本的に高校数学には、「重ね合わせ」の発想はないからです。「重ね合わせ」は、大学で新しく出てきた解法アイデアだと思って下さい・・・。 何らかの参考書なり、解説書をご覧になっていると思いますが、いま時間をt,場所をxで表す事にして、関数w1(x,t)とw2(x,t)のどちらもが、熱伝動方程式を満たすなら、その和、w(x,t)=w1(x,t)+w2(x,t)も、熱伝動方程式を満たす事は容易にわかると思います。w1+w2を熱伝導方程式に代入して、w1に関する項とw2に関する項に分け(分けられるはずです)、それぞれのグループが、それぞれ熱伝導方程式を満たす事(たぶん0になる)を見るだけです。これが「重ね合わせ」です。 そうするとw1やw2は、それぞれが熱伝導方程式を満たすなら、何個あっても良い訳で、w1,w2,・・・,wnがそういう関数系(という言い方をします)なら、 w(x,t)=w1(x,t)+w2(x,t)+・・・+wn(x,t) (1) は、やはり熱伝動方程式を満たします。w1,w2,・・・,wnの事をまとめて、(wk)などと書きます(省略記法です)。 この話がどこへ発展して行くか?というと、(1)の右辺の個数がどんどん増えて行けば、w(x,t)はどんどん複雑な関数になるだろうと予想できると思うのですが、逆に言えば、(1)の右辺の個数が十分多ければ、どんなに複雑な関数だって表せるわけです。 例えば、与えられた熱伝導方程式の解だって、(1)の形で書けるだろうと。これが、 >全て加えたものが一般解・・・ の基本発想で、大学で新しく出てきた解法アイデアです。 (1)の(wk)のメンバーは、どれも熱伝動方程式を満たす必要がありますが、具体的に計算できるものでなければ、(1)に実用的価値はありません。具体的に計算できるくらいシンプルな(wk)のメンバーを導く方法として、最も頻繁に使われるのが、変数分離の方法ですが、変数分離の方法で(wk)を系統的に導くには、境界条件を使う必要があります。つまり、 変数分離+境界条件 ⇒ 系統的な(wk)の導出. という構図になっています。こういう話は本質的に、フーリエ級数で有名なフーリエが開発した方法なので、本質的には、そんなにやさしい理屈ではないのですが、実用的には違います。実用的には、処理方法さえおぼえれば、概ねOKです。 というのは、境界条件を満たす関数系(wk)の重ね合わせ(1)が、同一の境界条件を満たす熱伝導方程式の任意の解w(x,t)に成り得るのか?、という問題は、数学的には重大なテーマですが(そして難しい)、ふつうはそこまで意識しません。 ちなみに上記問題は、関数系の完全性の証明と言われますが、大抵は「数学の方で、それは保証されている」という安心感のもとに、実用的な数値計算に持ち込んだりします。 ・・・あぁっ、苦しかった(^^;)
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- stomachman
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関数 p(x,t)とq(x,t)がどちらも微分方程式 F(y) = 0 の解になっている(つまり F(p)=0, F(q)=0)という仮定の下で、F(p+q)を実際にコツコツ計算してみれば、納得できるはずです。 これを一般化して「どんな場合になら、この手が使えるのか」という話をしようとすると、ちょっとめんどくさいわけですが、でも個別の微分方程式についてコツコツやるぶんには高校数学で十分でしょう。