- ベストアンサー
国語の文法 “降り始め”
バイトで、小学生に国語を教えているのですが、今度文法の問題で、「雨が降り始めた。」を単語で区切る問題があります。 答えをみたところ、「雨|が|降り始め|た。」でした。 「降り始め」が区切られない理由がいまいちよくわかりません。 詳しい方がいらしたら、ぜひ教えてください。 よろしくお願いしますm(_ _)m
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「複合動詞だからです。」では不十分なので追加説明します。 そもそも、単語という概念の認定基準が語学的に曖昧なので、「降り始める」を2単語に分けて捉える事になんら問題はありません。「降り」も「始める」もそれぞれの固有の意味を感じ取れるからです。 「出し抜く」「やりこめる」「振り込む」のように、2つの結合度が高いものは、間違いなく1単語でしょう。 しかし、小中高の教科書に採用されている学校文法(橋本進吉による形式的な品詞論の後継)では、複合動詞は1単語として捉えるべきと思われます。 橋本は、アクセント規則に基づいて、"文節"という文法単位を提唱した人物ですね。 「降り始める」は低高高高高低というように、途中に低アクセントの音節が現れないので、2つ以上の分節に区切る事ができません。2つ以上の分節に区切れないものが2つ以上の単語で成り立つ場合は、橋本の品詞論からすれば、自立語と付属語の組み合わせしかありません。「降り始める」には付属語が含まれていないので、これは1つの単語で形成されているということになります。 学校文法で認められている助動詞の数は有限個なので、「始める」を動詞のアスペクト表示に特化した助動詞と捉えることもできない、という反論も通らない事になります。 以上が、複合動詞を1単語として小学生に教えなければならない理由です。 小学生に教える国語なので、基本は(学校文法)橋本文法です。この先も国語教育に関わるおつもりでしたら、橋本の『国語学概論』をお勧めします。
お礼
詳しい説明ありがとうございます。 アクセントの違いから単語や文節を区切るという考え方の存在にとても驚きました。日本語の奥深さを改めて感じました。 小学生にはなかなか難しい内容だと思うので、自分なりに噛み砕いて説明してみます。 将来、国語教育に携わりたく勉強を始めたばかりの大学1年生ですが、教えていただいた国語学概論も早いうちから読めるように頑張ります。 貴重な回答、本当にありがとうございました。