原子核がプラスの電気を帯びた陽子や、中性子という粒子が集まった小さな塊というのはご存じだと思います。
プラスの電気とプラスの電気は反発しますよね?お互いを近づける程強く反発しますよね?
だから、それらを小さな所に綴じ込めておくには、それを上回る力で押さえこむ力がいりますよね? それが「強い力」と呼ばれている力です。ただこの力の守備範囲は短距離しか働きませんので、原子核に中性子等の他の粒子を当ててやると小さなところに閉じ込められている本来電気で反発している陽子たちが、「強い力」の守備範囲から出てしまいます。すると「強い力」による押さえこみが効かなくなり、陽子達はプラス電気の反発をかりて勢いよく飛び出します。これが核分裂によるエネルギーです。
例え話をしましょう。強力なバネをめちゃめちゃ縮めて、そのバネを元に戻らないように紐で止めておくとします。
バネを縮める時の反発力 = 陽子の電気の反発力
縮めたバネ = 原子核
その縮めたバネを止めている紐の力 = 強い力
その紐を外から切る事 = 原子核に中性子等を外から当てる事(勝手に切れることもある=自発核分裂)
紐が切れてバネが伸びることにより開放さえるエネルギー(バネ仕掛けのびっくり箱を
思い出してください) = 原子力エネルギー
このバネを最初に縮めたのは、宇宙創成時や星の誕生時等に元素ができたときです。
その縮めたバネの紐を、人間がちょこちょこ切っている事が原子力エネルギーの利用です。
他のエネルギー源は根本的に化学エネルギーを利用しているものが多いです。
電子はマイナスの電気を持っていて、原子核中の陽子のプラス電気とひきあうことにより原子核の周りの軌道をまわっています。この電子をこの軌道からとったりつけたりしているのが化学反応です。だから化学エネルギーというのはこのような電気の力によるエネルギーです。
先の説明で「強い力」は電気の反発力も押さえこめる強さだといいました。すなわち「強い力」は電気力よりも強い。これが化学エネルギーより原子力エネルギーが強力な根本的な理由です。