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(1)のみです。すみません。 現在では「私鉄」という言葉に定義がないので、結論からいえば何でもありということになります。 まず、鉄道(軌道を含む)については鉄道事業法施行規則および軌道法に基づく定義があります。鉄道には、いわゆる一般の鉄道のほか、モノレール、新交通システム、ガイドウェイバス、ケーブルカー、トロリーバス(無軌条電車)などを含みます。ロープウェイ、リフト、ゴンドラや遊具の類は通常含みません。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S62/S62F03901000006.html さて、これらの鉄軌道を経営形態別に分類すると、おおよそ次のとおりになります。 1.JR(旧国鉄) 2.公営鉄道(都営地下鉄、大阪市営地下鉄、○○市電など) 3.東京メトロ(旧営団) 4.第三セクターのうち国鉄からの転換線・未成線(三陸鉄道、ほくほく線など) 5.第三セクターのうちいわゆる並行在来線(しなの鉄道、肥薩おれんじ鉄道など) 6.第三セクターのうち民鉄からの転換線(えちぜん鉄道、ひたちなか海浜鉄道など) 7.第三セクターのうち、設立の趣旨に鑑みて元々第三セクターであるもの(つくばエクスプレス、ゆりかもめなど) 8.財団法人・社会福祉法人・宗教法人(神戸市都市整備公社、宗教法人鞍馬寺など) 9.それ以外のいわゆる民鉄・私鉄 1987年の国鉄民営化までは、日本国有鉄道法および地方鉄道法に基づき、上記のうち1を「国鉄」、2~9を「私鉄」と定義していました。公営も営団も第三セクターも全て「私鉄」というのは変な感じがしますが、国鉄の対義語、あるいは国鉄以外の全て、と考えればわかりやすいでしょう。しかし1987年に日本国有鉄道法と地方鉄道法は廃止になり、それに代わったのが冒頭の鉄道事業法です。鉄道事業法では経営形態の区分をしていませんので、今では「私鉄の定義はない」のです。 そこでここからは一般的な印象ということになります。私鉄=株式会社ということなら、JRも私鉄でしょう。特に東日本、東海、西日本の3社は上場もしましたし完全民営化を既に達成しています。しかし国鉄の承継法人であることや、他社に類をみない広域経営をしていることなどから、1を私鉄と呼ぶ人はあまりいないでしょう。4・5も設立・運営の経緯などを鑑みて同様かと思います。2は1987年まで私鉄だったのですが、元々地方公共団体ですから今は私鉄と呼ぶ人はいないでしょう。3は特殊法人なのですが、営団時代からなぜか日本民営鉄道協会にも私鉄総連にも加盟しており、利用者からみても私鉄に近い印象を持つ人がいるのではないでしょうか。6・8は限定的なケースですのでよくわかりません。7・9は私鉄だと感じる人が多いのではないでしょうか。 ご質問にあるような報道のシーンでは、受け手によって定義(印象)が変わるような言葉はなるべく使わず、万人になるべく同じ伝わり方をさせることが理想ですし、それがジャーナリズムの使命でもあります。NHKの放送を見聞きしていると、「JRは…」「そのほかの鉄道は…」などと放送しています。明らかに私鉄といえるケース(上記分類の9)などを除いて「私鉄」とは放送せず、あくまでも誤解・疑念・違和感を与えぬよう言葉の選び方をきちんと徹底させています。その点、民放やインターネットメディアなどがどの程度きちんと配慮できているのかはよくわかりません。
お礼
そうですね、確かに民放の朝の交通情報に多い紹介の記憶があります。 JRは平常どおりの運転、私鉄も平常どおりの運転、市営地下鉄は・・・と 「そこで、JRも私企業では?何で各鉄道の・・・とか私鉄と地下鉄&市バス等の公共交通機関と言わないのだろうかと疑問を持っていました」 ご丁寧に、由縁・経緯・関連法案や法令からの現状や問題点や制約等について分かり易くお教え願いまして、心より感謝とお礼を申し上げます。 誠にありがとうございました。