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規定とモル濃度について

ある国家試験を受けるに際し、高校程度の化学を学習する必要が生じ、学習を進めているのですが、規定という考え方がわかりません。たとえば、0.1Nの酢酸水溶液をモル濃度にすると、0.1mol/lの酢酸水溶液である、と考えてよいのでしょうか? また、この場合、電離度が、0.1%となら、水素イオン指数=4 で正解なのでしょうか? よろしくお願いいたします。

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  • c80s3xxx
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回答No.4

規定度はもう知らなくてもいいはずのことなのですが,現場では生き残っていますので,知らんぷりというわけにもいかないところが厄介です. 規定度を使うべきではないというのは,価数がわかれば計算できることだから,という問題ではありません. 酸塩基だけでなく,いろんな場面で規定度は使われ,その場面によっては同じ溶液が違う規定度になる可能性を持っていることが問題なのです. 現在でも規定度が常用されるのは,酸塩基と酸化還元です. たとえば,酢酸の1mol/L溶液は,酸としては1規定 (1N) として扱えます. しかし,酸化還元反応ではどうか. 現実的な例を出せば,過マンガン酸カリウム水溶液は強酸性では5価の酸化剤として働くので,1mol/L=5Nです.しかし,塩基 性では3価の酸化剤としてしか効かないので,1mol/L=3Nです. 酸化還元反応では,反応条件とか,具体的にどういう相手と反応させるかという観点での情報がないと,濃度が決まっても規定度が決めようがないということがおこるのです. 一方,過マンガン酸カリウム水溶液自体は,酸や塩基としてはふつうは使いませんから,酸塩基としての規定度は意味がありません. というわけで,規定度は便利な面はあるにしても,厄介な面もあるのです. 一方,モル濃度はそういうこととは無関係に,かっちりと決まる量です. なお,規定度の本質は,酸塩基の場合,反応する水素イオン数を見ることです.これをベースに数えたモル濃度が規定度です.酢酸は1分子が1個の水素イオンを供給できるので,モル濃度と規定度が一致します.硫酸は1分子が2個の水素イオンを供給するので1mol/L=2Nです. ここで供給するというのは,水に溶かしたときにそれだけの量が出てくるという意味ではありません.延期と反応させていったときに,そこまでは供給できるという意味です. 一方,酸化還元の規定度は,やりとりされる電子数をベースにして数えます.

tahzan
質問者

お礼

すごくわかりやすい解説をどうもありがとうございました。確かに、もう出番はあまりないと聞くのですが、試験では、ちょいちょい顔を出すようです。今回の解説は、今まで見たどのテキストよりも理解できました。ありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • Saturn5
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回答No.3

現在、規定度 Nは使わないようになています。 国家試験や大学院の試験ではよくでます。 前者は過去問の数字替えなどで問題作成を済ませている弊害でしょう。 後者は作成者が高齢で最近の高校・大学での化学を見ていないのが原因でしょう。 さて、なぜ規定度を使わなくなったかといえば、 規定度 N=価数×モル濃度 で簡単に求められるからです。 酢酸や塩酸のような1価の酸では規定度=モル濃度になります。 また、水素イオン濃度 〔H+〕=価数×モル濃度×電離度 ですので、 1×0.1×0.001=1×10^(-4) となり、 水素イオン指数 pH=4 です。

tahzan
質問者

お礼

簡潔で明解な解説をありがとうございました。すぐにわかりました。そうですか……、やはり、現在、規定度 は使わないようになっているのですね。今回の単純な計算方法を、今後使わせていただきます。

  • KURUMITO
  • ベストアンサー率42% (1835/4283)
回答No.2

酢酸溶液の水素イオン指数ですが回答1は無視してください。 次のようにすればよいですね。 [H^+] = 0.1 * 0.001 =0.0001 したがって 水素イオン指数は 4 となりますね。 正解です。

tahzan
質問者

お礼

答えが合っていることがわかり、「ホッ」としました。この規定度はなかなか理解することができず、悩みの種になっています。ありがとうございました。

  • KURUMITO
  • ベストアンサー率42% (1835/4283)
回答No.1

規定度はモル濃度に酸や塩基の下数を掛けて求めることができます。 酢酸は次の式のように解離しますので1価の酸ということができますので0.1Nの酢酸溶液のモル濃度は1Mのすなわち0.1mol/lの酢酸水溶液と同じことになります。 CH3COOH ⇔ H^+ + CH3COO^- ところで酢酸の解離定数 Kaは次の式であらわされます。 Ka = [H^+] [CH3COO^-] / [CH3COOH] そこで酢酸の濃度をCとすると C = [CH3COOH] + [CH3COO^-] C = [H^+] [CH3COO^-] /Ka + [CH3COO^-] C = ( [H^+] /Ka + 1) [CH3COO^-] 電離度をαとすると α = [CH3COO^-] / C = Ka /([H^+] + Ka) α ( [H^+] + Ka ) = Ka [H^+] = (Ka - αKa) / α ここでαはご質問の場合には0.001ですからKa-αKaはKaとして [H^+] = Ka / α -log [H^+] = -log Ka + log α -log Ka は 酢酸の場合には 25℃ で 4.76となりますので pH = 4.76 + log α 電離度0.1%となりますと、log α は -3.00 となりますので pH = 4.76 -3 = 1.76 水素イオン指数は 1.76 となります。 上でお分かりのように酢酸についての酸解離定数が提示されていない問題では水素イオン指数を簡単に求めることはできないでしょう。

tahzan
質問者

お礼

水素イオン指数の部分については、わかりませんでしたが、0.1Nの酢酸溶液のモル濃度が0.1mol/lの酢酸水溶液と同じことになる、というのは、参考になりました。おそらくですが、テキストによっては、この規定度を書いてないものもあるので、だんだんマイナーなものになるのでは、と勝手に思ってはいますが……。御回答、ありがとうございました。