議院内閣制の場合は、もともと国政を委ねるための国会議員の選挙をして、その延長線上で内閣総理大臣は行政の長として首班指名されます。
国会を解散して民意を問うようなことも無く、首相だけが交代するのがむしろ例外で、本来であれば国政選挙と首班指名は事実上リンクしています。
間接選挙はアメリカの大統領選挙が典型例ですが、大統領を選ぶという目的だけのために国民はまず選挙人を選び、その選挙人が大統領を選ぶという形になっていて、法制度としても最初の選挙と次の選挙は密接にリンクしています。
複選制は、すでに選挙で当選して公務員が、上級の機関の公務員を選ぶ選挙です。準間接選挙とも呼ばれます。
最初の選挙は直接選挙で国民の意思が反映されます。
ところが次の選挙は、最初の選挙とはリンクしていません。
1年や2年たって政治状況が変わったとしても、国民から見て昔の情報で判断して投票して当選した最初の公務員が、次の公務員を選んじゃうわけです。
これではさすがに国民の意思と離れすぎる恐れが大きくなります。準間接選挙というより「間接的になりすぎる選挙」「超間接選挙」です。
もっとも、議院内閣制の場合、こういったことは政治家の良識にゆだねられていました。
良識のある政治家が多かった時代はそれで通用していました。
ところが自民党政権末期から、現在の民主党政権になると、一度政権を握ると首相の首をすげ換えることはしても、国民の民意を問うことはまったくしようとしません。
これでは事実上、複選制ですね。
少なくとも日本の議院内閣制はそういうあいまいさのある制度だったってことです。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。よくわかりました。すっきりです。