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内閣総理大臣としての発言に免責特権は及びますか?
免責特権の主体は両議院の議員に限られ、国務大臣の発言には及ばないと習ったのですが、 それでは内閣総理大臣が内閣総理大臣として行った発言について免責特権は認められるのでしょうか? 国務大臣に免責特権を認めない主旨が、「国会議員から選ばれた国務大臣」と「国会議員以外から選ばれた国務大臣」との間で不公平がないようにするためだとすると 内閣総理大臣は必然的に国会議員であるので免責特権を認められるようにも思えますし、 また国務大臣に認められていない以上、内閣総理大臣にも認めることはできないようにも思えます。 どなたか教えてください、お願いします。
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【答】 内閣総理大臣としての発言に免責特権は及びません。 【解説】 立法府と行政府は牽制し合う関係である。首相を含む大臣は、答弁または説明のため国会に出席し(憲63条)、議員から問いただされる。その際に、大臣が違法性のある発言などをしたら、責任を問われなければなるまい。つまり、国会は大臣を特権で守るというより、逆に大臣を追及する場であるとも言える。憲法51条の特権は大臣に及ばない。 51条は、立法府のメンバーたる国会議員の特権である。行政府のメンバーたる大臣の特権は、51条とは別にある。憲法75条がそれだ。 第75条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。 国会議員には不逮捕特権(憲50条)がある。しかし、議員は逮捕されなくても、在宅のまま(任意の事情聴取などで証拠固めされて)訴追され、裁判で有罪となることがある。たとえば、小沢一郎の元秘書で現在は衆院議員の石川知裕は、検察から任意の事情聴取を受けつつあり、(やがて開会する通常国会の会期中にも)在宅起訴されるらしい。 以上をまとめると、大臣は(首相の同意がなければ)任期中に訴追されない。ただし逮捕されることはある(1948年、民間人閣僚の栗栖赳夫。その後大臣を辞め、訴追された)。 国会議員は(所属議院の同意がなければ)会期中に逮捕されない。ただし、逮捕されないまま訴追されることはある。