極大素イデアルと極大イデアル
まず、質問文が長くなったことと、定義などをいろいろ細かく指定したことをお詫びします。
また、極大素イデアルというのは maximal prime ideal を勝手に日本語にしたもので、正しい数学用語かどうかわかりません。
この質問では乗法の単位元1をもつ可換環のみを考え、素イデアルは(1)に等しくないとします。
記号の使い方で、A⊆BはAがBの部分集合、A⊂BはAがBの真部分集合を表すとします。
このとき、素イデアルPに対して、P⊂P’⊂(1)を満たす素イデアルP’が存在しないとき、Pを極大素イデアルと定義します。
ある数学書には、
Rをネター環、PをRの極大イデアル、A≠(1)をRのイデアルとするとき、
P^n ⊆A⊆Pとなる自然数 n が存在する⇔Aは準素イデアルで√A=Pが成り立つ
という命題が載っていて、別の数学書には、
Rをネター環、PをRの極大素イデアル、A≠(1)をRのイデアルとするとき、
P^n ⊆Aとなる自然数 n が存在する⇔Aは準素イデアルで√A=Pが成り立つ
という命題が載っています。ふたつを見比べると、これらの命題に限れば極大素イデアルと極大イデアルは互換性をもつといえます。
質問したいのは上の命題の証明ではなく、極大素イデアルと極大イデアルは同じものかどうかということです。
極大イデアルが極大素イデアルであることは明らかですが、逆は成り立つでしょうか。
成り立たないとすれば、P⊂B⊂(1)を満たす極大素イデアルPと素イデアルでないイデアルBが存在する例があるはずですが、そういう例が見つかりません。
極大素イデアルが極大イデアルであることを証明しようとも試みましたが、証明できませんでした。
有理整数環Zでは極大素イデアルは必ず極大イデアルになり、k[x, y] の極大素イデアル (x, y) も極大イデアルですが、例を挙げただけでは証明になりませんので。
どうか、アドバイスをよろしくお願いします。