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腐植物質について
地球上の有機物の大半が腐植物質であるといわれています。 また,海洋では約60%,陸では約80%が腐植物質であるとされています。 よって、堆積物や土壌中に存在する有機物質を定量化し, 構造的に解明することは,海洋学的・有機地球学的な課題とされています。 ここでわからないことなんですが、地球上の腐植物質を分析することの目的とはなんなのでしょうか? 有機物質は地球の炭素サイクルに深く関わっているとも言われていたのですが、、、 つまり地球の炭素サイクルを構造的に解明することは、何を目的とし、何がわかるんでしょうか?
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「地球の炭素サイクルを構造的に解明する」と「地球の炭素サイクルを解明する」との違いは「構造的に」ですが、「構造的ではない地球の炭素サイクルの解明」が何を意味するのかがわかりません。 「堆積物や土壌中に存在する有機物質を定量化し構造的に解明する」と「堆積物や土壌中に存在する有機物質を定量化し動的な循環を推定する」との違いがわかりません。 『構造的に』とは何でしょうか。「関係論的構造理解」という熟語を見つけましたが、何を意味するのかがわかりません。炭素循環(カーボンサイクル)に「構造的な」をつけると、3次元分布の視点、あるいは2次元分布と言うことでしょうか、色々な事柄要素が相互に関連しあう相互関係という単なる形容詞でしょうか。 ☆☆ ~~~ ☆☆ ~~~ ☆☆ 炭素循環(carbon cycle)を、地球上の大規模な(生物圏、岩石圏、水圏、大気圏の4つのリザーバー・貯蔵槽貯蔵圏)の間で行われる炭素の交換という循環などを指すものとします。 炭素は、この4つのリザーバー貯蔵場所に別々に存在して移動しないのではなくて、大気から陸域生物圏に、陸域生物圏から大気に、大気から海洋に、海洋から大気に、陸域生物圏から堆積物に、海洋から堆積物に、堆積物から大気へ、堆積物から海洋へ、堆積物から岩石圏へ、岩石圏から大気圏や水圏にと、化学的、物理的、地球物理的、生物的なプロセスで移動します。 4つのリザーバー貯蔵場所を漠然と見ていても進まないので、細分化してどの地域のどういうところのどのような物体・物質・生物の中にどのような形で炭素が存在し、それがどこから来て、どこにどのような機構/仕組み/プロセスで移動するのか、その移動量や移動速度は何に依存するのかなどを調べ、わからないところは適当に推定したモデルをつくっていきます。(不明なところは山ほどあるので、仮説の集合体のようになりますが、それでかまいません) その定量化した関数モデルを組み合わせて「地球の炭素サイクル」を数十つくってみます。その仮説組み合わせモデルで地球全体の状況がシミュレーションできるかをチェックし、あまり適当とは思えない仮説組み合わせモデルを廃棄し、妥当度が相対的に高い仮説組み合わせモデルを残します。 何か新しい仮説や知見、新しい情報が得られれば、また仮説を加えてシミュレーションし、過去に関してある程度妥当なシミュレーションができたら、近未来をシミュレーションします。その近未来シミュレーションが結構良いところを計算できていたら「good! やったネ」と思うことにします。 関数モデルでの近未来シミュレーションの結果が、実際の予知予測に使えたように見えて「good! やったネ」と思うのは、『仮説と今回使った組み合わせ方のモデルが、実態に一歩近づけた』と思うからです。 物理化学や社会科学、生物学などのどのような分野でも、実態理解に近づくことは大きな目的です。(その理解が何かに役立つかどうかを重視するのは、私は、はっきり言って嫌いです) 実利的にみれば、実態や仕組みの理解が進めば、目的利用を考える人が理解と方針を立てたり、技術として利用することも可能になります。 現在の工業製品や情報システム、企業運営、国家財政や福利厚生の仕組み、疾病や障害怪我の治療なども、実態や仕組みの理解が進んでいるからできていることです。 炭素循環は、地球の気候にも大きな影響があると見なされています。炭素循環を解明することで気温の上昇や下降などの予測にも妥当性が出てくると期待されています。仮説モデルよる予測が妥当だと考えるならば、現状や近未来の何をどう変化させると地球の気温がどうなるかもシミュレーションできますので、それを根拠に掲げれば政策や法令を作ることも可能です。 また、コメンテーターや政治家として仕事を獲得するのにも利用できます。 仮説モデルのレベルアップという目標を掲げれば、予算も多くもらえる可能性が出てきます。 本を出版したり、講演会の客寄せにも効果があります。 温暖化対策機器、環境対策炭素削減のビジネスチャンスを活かす企業や人も国家も出てきます。 「地球の炭素サイクルを解明する」ということは、科学的理解を進める満足感に通じるだけでなく、地球規模の政治経済、地域や企業、大学などの研究機関、マスコミ、政治家、各国家の規制を受けるすべての組織や人々に大きな影響を及ぼすのです。 地球温暖化は大変だ、CO2削減をしなくてはという、感性レベルのただの反応で終わらずに、世界規模の政策や個人レベルの生活にも大きな影響を及ぼすことが確実になるのが、「地球の炭素サイクルを定量化して解明すること」です。 炭素サイクルでは、生物は炭素を取り入れ排出するだけでなくて、体内に炭素を蓄え、死亡後もしばらく炭素を保持します。生物由来の有機物からどのような速度でどのように他のリザーバーにどのような条件で移動するのかの定量的仮説をつくることも大事な研究です。
お礼
ありがとうございます!! 自分の説明がわかりにくく、非常に申し訳ありませんでした。 細部までお答えいただいて、多くのことがわかりました!