「酸の働きは水中の水素イオンによって生じる」というのは習っていますか。
水素イオンが水中に放出されるのですから水が必要です。
水が少ないと放出される水素イオンの濃度は小さいです。
氷酢酸というのは純度の高い酢酸です。ほぼ100%と考えていいでしょう。
凝固点は16℃ですから冬場凍ります。
同じことは硫酸でも起こります。
試験管の中にある濃硫酸にMg片を入れます。
小さな泡が出るだけです。
ビーカーに水を入れてその中に試験管の中身を全部移してしまいます。
泡が出てあっという間にMgは無くなってしまいます。
濃い酢酸ではイオンの濃度が小さいです。
水で薄めるとイオンの濃度が高くなっていきます。
さらに水を加えると酢酸の濃度自体が小さくなって行きますからイオンの濃度も小さくなります。
薄めて行く途中にイオンの濃度の最大になるところがあります。
これは電球を使って確かめることができます。
試験管に氷酢酸を深さで1/3ほど入れます。
上から水を静かに加えて液量を2倍ほとにします。
静かに水を加えて行くと上から下に行くに従って濃度が大きく異なる水溶液ができます。
液面近くはものすごく薄いです。底の方はほとんど元の酢酸です。2本の電極をそろえて静かに入れて行くと深さによって電球の明るさが大きく変わります。
液面近くではほとんど電気がつきません。
電極の位置を下げて行きます。だんだん明るくなります。
底の方ではまた、暗くなります。
電極は被覆の付いたままの銅線を使うといいです。先だけ被覆を取り除きます。