私は下記の掲示板の George S さんの意見にほぼ賛成です。
http://forums.hannity.com/showpost.php?p=96120111&postcount=428
>There is no answer. No single answer.
>The original problem 6÷2(1+2) is not a well-formed formula. As such it must first be translated into a WFF.
>The expression 2(1+2) is not a WFF. 2(3) is meaningless in mathematics. Similarly the "formula" 5 5 or 5 (5) means nothing.
(訳)
>答えはない。1つではない。
>元の問題 6÷2(1+2) は整式ではない。よってまず整式に翻訳しなければならない。
>表現 2(1+2) は整式ではない。2(3) は数学では無意味であり、同様に「式」5 5 や 5 (5) も意味をなさない。
ここでいう「整式」とは「整論理式」のことですが、それはさておき。
人によっては 6÷2(1+2) は 9 または 1 だと思われるかもしれません。
それはその人の解釈において正しいのですが、全員が納得する解釈というのは存在しないと思います。
Google 電卓や Wolfram Alpha は 9 と解釈しますが、これもまた 1 つのプログラムによる解釈であって、絶対的に正しいというものではありません。
http://www.google.co.jp/search?q=6%C3%B72(1%2B2)
http://www.wolframalpha.com/input/?i=6%C3%B72(1%2B2)
なお Wolfram Alpha の解釈によれば、5 5 や 5 (5) も正しい「式」ということになります。
http://www.wolframalpha.com/input/?i=5+5
http://www.wolframalpha.com/input/?i=5+%285%29
そもそも「+, - よりも ×, ÷ を先に計算する」といった「演算子の優先順位」は人間が数式を書くときの「約束事」であって、数学的必然性があるものではありません(もちろん、そう決めると便利だという一定の根拠は存在します)。
このような「約束事」が通用するのは中置記法に限った話で、前置記法(ポーランド記法)や後置記法(逆ポーランド記法)を使えば演算子の優先順位を決める必要はありません。
たとえば 6÷2(1+2) だったら × ÷ 6 2 + 1 2 や ÷ 6 × 2 + 1 2 と書けば曖昧さはないわけです。
12ab ÷ 4b のような文字式の場合は別として、6÷2(1+2) の ÷ を先に計算すべきなのか、それとも(暗黙の)× を先に計算すべきなのかという広く受け入れられた「約束事」は存在しないと思います。
人によって解釈が異なるような曖昧な式を「式」とは呼べないでしょう。
何をもって「正しい式」とするかは「式」の定義によりますが、たとえば次の規則によって「式」を定義したとします。
規則 1. 数字 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, ... は「式」である。
規則 2. α, β が「式」ならば、(α + β), (α - β), (α × β), (α ÷ β) も「式」である。
規則 3. 以上の規則で作られるもののみが「式」である。
BNF (バッカス・ナウア記法) に慣れた方には以下の方が読みやすいでしょう。
<数字> ::= 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ...
<式> ::= <数字> | (<式> + <式>) | (<式> - <式>) | (<式> × <式>) | (<式> ÷ <式>)
もちろんこれでは私達が通常使うような「式」を定義できているとはいえないのですが(数字が 0, 1, 2, ... しか含まれないので πr^2 すら「式」ではありません)、仮にこのように「式」を定義するならば、6÷2(1+2) は「式」ではないということになります。
9 を意味したいならば ((6 ÷ 2) × (1 + 2))、1 を意味したいならば (6 ÷ (2 × (1 + 2))) と書かなければなりません。
それでは 6÷2(1+2) が正しい「式」になるように定義を拡張すべきかというと、6÷2(1+2) のような式は通常の数学にはまったく現れないわけですから、このような記号の羅列を「式」として新たに定義する必要はないでしょう。
お礼
私も遠い記憶では、数学を習った瞬間に今まで抱えていた算数の煩わしさから一気に解放された覚えがあります。 この問題は÷という算数的表現を使うなら×の省略という数学的表現を用いるべきではないでしょう。 算数的表現と数学的表現を混合することで意図的に惑わす「醜悪」な数式といえるのかもしれません。 ただ、No.21さんの紹介サイトにもありましたが中学数学では÷という表現が使用されているようです。 http://math.005net.com/yoten/sikinok2.htm (といっても私自身現在の中学数学事情に詳しいわけではありません) この記事自体も「算数も分からない大人が多い」みたいに悪意を感じますが、それゆえにこうして楽しみながら反論し思わぬ理解を深める機会になっているのかもしれません。 回答ありがとうございました。