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『再訴』と『別訴』と『反訴』の違い

民事訴訟法初学者です。 民事訴訟において、 (1)『再訴』 (2)『別訴』 (3)『反訴』 とはそれぞれ何が違うのでしょうか? テキストを見てもよくわからなかったので、具体例を交えつつ教えていただけるとありがたいです。

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回答No.1

きちんと説明すると長いので大雑把でもいいですか? まず、「別訴」とは、簡単に言えば、「手続を異にする訴え」だと思ってください。例えば、甲が乙に家を貸し、更に金を貸していたとして、家賃の不払いがあったので賃貸料の支払請求訴訟を提起し、さらに別途、貸金返還請求訴訟を提起したなどという場合、これは手続き的に異なる訴訟なので「別訴」ということになります(なお、甲が乙に貸金返還請求訴訟を提起し、全く関係のない丙が丁に売買代金支払請求訴訟を提起したなんてのも一応「別訴」と言えば「別訴」ですが、そもそも当たり前すぎて敢えて「別訴」などと表現する必要が全くありません。ですから、「別訴」と言う場合には、一応、当事者または請求に何らかの関連があることが通常だと思って下さい。)。 「再訴」とは、「一度提起して終了した訴訟と同じ内容の訴え」と思ってください。例えば、甲が乙に金を貸していて貸金返還訴訟を提起したが敗訴したので甲は同じ貸金返還訴訟をもう一度提起したなどという場合です。あるいは、訴えを取り下げた後に同一内容の訴えを再び提起する場合などもあります。手続き的には別の訴えなのでこれもまた「別訴」の一種です。ちなみに「まだ終了していない訴訟と同じ内容の訴え」については、通常は「再訴」とは呼ばず、「二重起訴」「重複訴訟」などと呼びます。 なお、「内容が同じ」というのは、当事者の同一性と審判対象の同一性を基準に判断するのですが、詳しくは民訴の教科書を読んでください。 つまり、「手続が別であれば別訴であり、別訴の内容が同じ場合には、訴えの提起の時期によって再訴または二重起訴になる」と思っておけば大体合ってます(細かく言えば、手続が同じでも内容が異なる場合を別訴と捉えることはできます。併合請求において、個々の請求を「別訴」と考えることも不可能ではないということです。そういう使い方は余りないとは思うのですが、一応、文脈によって判断するべきでしょう。)。 「反訴」とは、「係属中の訴訟手続内で被告が原告を相手に提起する訴え」のこと。例えば、甲と乙が事故を起こし、甲が乙に対して不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したところ、同一事故について乙が甲に対して同じく不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したなどという場合です。これは訴訟手続を異にしないという意味で別訴ではないと言えますが、内容を異にする場合には別訴の一種と捉えても構いませんし、審理手続は同一であっても、訴えの提起自体は別に行っているので手続が完全に同一ではないから、審判対象が実質的に同じで内容的に同一の訴えである(例えば、債務不存在確認訴訟係属中に当該債務についての履行請求を反訴で提起する場合など。)としても別訴であると考えることもできます。 というわけで、概念的な次元を異にするものというわけですが、こと「反訴」については、明文の規定がある制度の一つなので、それに該当するかどうかだけの問題として考えれば足り、別訴とか再訴とか考える必要はほとんどありません(厳密には、内容が同じ反訴が二重起訴に当たらない理由として同一手続で審理するからという話があるくらいなのですから、反訴もまた二重起訴の一種であって別訴の一種である場合があるとは言えます。)。

baldishu
質問者

お礼

丁寧に回答してくださってありがとうございました^^

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