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鶏糞肥料の抗生物質による影響と残留期間について
- 市販の鶏糞肥料に含まれる抗生物質の影響や残留期間について調査しました。
- 鶏糞からの抗生物質の残留が有用な微生物や菌に影響を及ぼす可能性や残留期間について考察しました。
- 抗生物質の使用による耐性菌発生のリスクについても検討しました。
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家畜衛生分野の獣医師です。 鶏の餌に抗生物質を使用するのは、雛のうちのほんの一時期です。飼養されている鶏全体の中で抗生物質を施用されている鶏がほんの一部に過ぎないことに加え、その日齢の鶏が排泄する糞の量が成鶏の糞量の数分の一であることを考慮すれば、一般的に流通している鶏糞中に残留する抗生物質など無視できるレベルでしょう。とても検出できるレベルにも達しないでしょう。 少なくとも、既に土中にいる菌類が産生している抗生物質の方が遙かに多いでしょうね。 ちなみに牛や豚でも、飼料中に抗生物質を添加するのは幼獣期の特定の期間に限定されています。 もちろん成体になってからも病気の治療で抗生物質が投与されることはありますが、抗生物質の製品毎に施用した際の乳肉出荷禁止期間が定められていますし、全ての薬剤に対してはとても無理ですがチェックも行われています。 また成長ホルモンについては国内では認可された製品がありません。輸入までして投与する意味もありませんし、輸入牛肉はともかく国産牛肉(豚肉も)では、抗生物質、ホルモン剤ともに残留の危険性はほとんどありません。 また鶏糞の「乾燥」や「発酵」などの種類は、基本的には処理ステージの違いです。 鶏糞の水分を飛ばしただけなのが「乾燥鶏糞」、長期間切り返し等の作業を繰り返して発酵させたものを「発酵鶏糞」、長期間発酵させたものを「完熟」と言っているだけです。 肥料としてベストなのは発酵鶏糞なのはもちろんなのですが(完熟ならなお良し)、鶏糞を発酵処理するには積んでおくだけではダメで、定期的に何度も切り返しするので臭気の問題は避けられません。養鶏場や堆肥処理施設の近くに人家がある場合は、鶏糞の発酵処理はなかなか難しいです。 期間は明確な定義はないのですが、順調に処理が進んだとして「完熟した」という状態になるには2ヶ月はかかります。 発酵処理中は鶏糞自体が60-70℃くらいの熱を出しますし、それが長期間続くので、まあたいていの抗生物質は残留していたとしても分解されてしまっているでしょうが(そもそも発酵するのは大量の菌が働いている証拠ですが)、もちろん水分も飛びます。 ですから、乾燥、発酵、完熟の定義が明確でないこともあるのですが、製品の状態で乾燥鶏糞か発酵鶏糞かを見分けるのは素人さんには難しいでしょう。 乾燥鶏糞は、プラントで強制的に熱をかけて水分を飛ばして作られることが多いです。単に発酵時間が足りないものを「乾燥鶏糞」と称して販売している例もありますが・・・ ですので、かける熱自体はプラントで作られる乾燥鶏糞の方が高いですが、熱がかかっている期間は発酵鶏糞、あるいは完熟鶏糞の方が遙かに長いです。
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- fumi26
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以前から、家庭菜園への鶏糞施用を経済性からも推奨してきました。その際、初期発育の促進と疾病防止の目的で限定して投与される抗生物資について、利用者の疑念があることを知っております。 http://okinawa-coffee.seesaa.net/article/18426885.html そのことに関し、(1)農水省は特定の抗生物質を期間と投与量を限定することで、乱用を防いでいる。(2)鶏糞に投与された抗生物質が含有されたとしても、施用される土壌にはすでに抗生物質を多種類生産しているカビが多量に生息しており、「砂浜に砂が混じる」状態となる。(3)耐性菌の発生も懸念されるが、それが原因となり作物経由で人に障害を起こす可能性は院内感染に比べ極めて低いと推定される。この様な論理で、鶏糞利用を推奨してきました。その際、養鶏業者、販売業者が差別化のために販売する、「完熟」、「醗酵」さらには「**菌添加醗酵」鶏糞などはまやかしの詐欺商品と判断しています。最近、「醗酵」から「乾燥」に鶏糞処理が変化しておりますが、これは販売促進と悪臭対策のためと理解されます。 ご質問の、「鶏糞の施用が有用な微生物や菌への増殖に悪影響があるか?」は、過剰施用、糞捨て場としての利用以外には否定的な報告は見つかりません。抗生物質の投与量が少量で鶏糞のため土壌の肥沃度が増すことからそのような現象はあり得ないと思います。 次の「残留期間」は世代交代を微生物は繰り返しますので、通常の常温室内保存された抗生物質よりも短縮されるでしょう。関連した研究論文も見当たりませんでした。 問題は、「耐性菌」の生存と増殖で、その可能性は否定できません。 http://lib.ruralnet.or.jp/libnews/nishio/nishio016.htm 安価な鶏卵、鶏肉を安心して利用できるよう、抗生物質の利用は最小限度にし、継続した検証と厳しい監視が必要です。 鶏糞の利用については、気にする人は抗生物質の分解度が高いとされる「乾燥処理」された鶏糞の利用がお勧めですが、土壌や農業を知る人はやや安価な「醗酵鶏糞」の利用でも絶対的な否定はできません。注意すべきことは研究論文で指摘され可能性は、可能性に終わることがママあり、話題提供や業績に過ぎない事例が多いことも頭に入れてください。 つぶやき:薬剤や成長ホルモンが使われた乳牛、肉用牛に由来する酪農製品や牛肉の方が危険なのに !
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ご回答ありがとうございます。 鶏糞の悪影響について疑念を抱きながら コストの面でどうしても使い続けないといけないことに ジレンマを抱いていました。 具体的な検証例を挙げて頂き少し安心できました。 ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 鶏糞の呼び名で発酵過程が違うんですね。 乾燥鶏糞は何か粗悪な感じがしますね。 完熟が良さそうですが、発酵のが安いので発酵を使っています。 獣医師様の仰られる事は具体性と説得力がありますね。 これで安心して鶏糞を使うことができます。