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インフルエンザの感染リスクについて
インフルエンザウイルスをどれくらの「個数」吸ったら感染するかという指標が知りたいです。 他の評価指標はあるようなのですが「個数」で評価しているものが見つかりません。 他の評価指標から「個数」に変換できるのでしょうか??
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獣医師です。ウイルスに専門知識を有しています。 インフルエンザウイルスに限りませんが、ウイルスはあまりに小さいので「1個、2個」という数え方ができません。 ですからウイルスの「量」を表すには通常「力価」という概念を用います。力価とは基本的には「ウイルスが含まれた試料をどれだけ希釈しても、対象に観戦することが可能であった」という数値です。 その対象によって、TCID50とかEID50などの単位が用いられます。50は下付き文字で表記します。 ざっくり言うと、EID50は「半数の発育鶏卵に感染し得た希釈倍率」ですし、TCID50は「半数の感受性細胞に感染し得た希釈倍率」です。 それも通常は 10^4.0TCID50 のように10のべき乗で示されますから、数字が1つ違えば実は「量」は10倍違うわけですね。 それらの単位と「個数」が変換可能かというと・・・まあ無理でしよう。 TCID50なら、たとえば「1TCID50」が何個のウイルスか、といえば・・・まあ数万個から数百万個くらいなのかなぁ。 実際、ウイルスを取り扱う研究者や技術者がウイルスの「個数」を意識することはまずないので、よく判らないのですが。 敢えて「個数」を意識することがあるとすれば、moiという単位を使うときくらいでしょうか。 培養細胞にウイルスを感染させて増やすとき、0.1~0.01moiで接種する、とすると、これは概念的には「10~100個の細胞に対して1個のウイルスを感染させる」ことを意味しています。 つまり75cm2のフラスコで培養している細胞を使うとすれば、およそ10^6個の細胞があるわけですから10^4TCID50/0.025mlの力価のウイルスを接種するには、2.5mlのウイルス液が必要、という計算をするわけです。 でも、1moiが「1個のウイルス粒子」を実際に意味しているわけではもちろんありません。 例外的に「ノロウイルスは10個のウイルス粒子でも感染する」みたいな表現は目にします。どうやって数えたのか知りませんが。 というより、そもそも「数える」ことができないモノを無理に数えたところで意味はない、と思いますけどね。
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お礼
ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。 私は現在、ウイルス拡散の流体シミュレーションを行うことで、空気清浄機の機能を評価しようとし考えています。 その空気清浄機の評価指標として、人が吸ったウイルスの吸引個数を採用できないかと考えていたので今回質問しましたが…無理みたいですね。 他の評価指標を探してみます。