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文法的意味

「九月二十日のころ」に出てくる文章で   「物のかくれよりしばし見居たるに」 というのがあるんですが、この「たる」は完了と存続どっちの意味で考えればいいですか? 授業では、「~ている」と訳せる場合は存続の意と習ったのですが、 「見続けていると」と「見続けていたところ」 どっちもありな気がします。 本屋で解説本を見てきたんですが、存続と書いてある本もあるし、 完了と書いてあるのもありました。 ただ、訳はどっちも「見続けていたところ」になってました。 どっちがほんとですか???

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回答No.1

自分なりによく調べて勉強されましたね。 最初に、簡潔に回答すれば、この場合「存続」と考えるのが正解です。 (授業で習ったとおりでよいわけですが、「完了」とした本が間違っているわけではありあません) 口語訳は「~ている」としても「~ていた」としてもかまいません。 以下、その理由を書いておきます。 必要なら読んでください。 解説本で完了・存続の両方の書き方があるのには、事情があります。 広い意味で「完了」という場合…… 1 (それまで続いてきた/瞬間的な)動作が完了したことを示す、狭い意味での「完了」――「~てしまう」 2 動作や作用が継続していることを示す「継続」 ――「~ている」 3 動作の結果がそのまま続いていることを示す「存続」 ――「~ている・てある」 4 だんだん動作が変化していくことを示す ――「~ていく・てくる」 など、現代語では「~て+○○」という形で表されるさまざまな場合を「総称している」のです。 古語の「たり」の場合はこのうち、おおむね1~3の用法が多いのですが、 それらを全部まとめて「たり」は「完了」の助動詞だと呼ぶ場合があるわけです。 もちろん、すこしこまかく区別して、1の場合「完了」と呼び、 2・3の場合はまとめて「存続」と呼ぶ場合もあります。 したがって、この例の「見居たるに」は、「見居る(じっと見る)」という状態が「継続」しているわけですから、2に該当するのですが、 A 「~ている」と口語訳できるので、3の場合と区別せず「存続」と整理して(1の完了とは区別して)呼ぶ解説本と、 B 細かい用法を区別せずにすべて「完了」と呼ぶ解説本 とがあるわけです。 そういうわけですから、選択肢で「完了」か「存続」かを区別させる問題なら、「存続」が正解となりますし、 「完了」しか選択肢がないならば、「完了」でよいわけです。 ところで、「~ている」と「~ていた」は、「過去・現在・未来」のどれに属するかという、時制の問題ですので、この場合どちらで訳してもかまいません。 日本語では英語などと違って「時制の一致」といった法則は厳密ではないので、 この場合の「見居る」状態は、当然「過去」のことがらですが、必ずしも「~ていた」とする必要はないのです。 古文の助動詞の使い方をできるだけ細かく反映した口語訳をするとしたら、 1 見居たりけるに、――じっと見ていたところ、 2 見居たるに、――じっと見ていると、 と区別できるでしょうが、実際の試験の答案などではどちらでも不都合がないので正解となります。

noname#153265
質問者

お礼

ありがとうございます。 とってもよくわかりました。