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小林秀雄さんの無常とは?わかりません
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小林秀雄を読むときには、本当の意味で素直になって考えたり、自分自身の頭で考えたりするのがいかに難しいかを身に沁みてわきまえることが、そのためにも、自分の頭がいかに余計な先入観、偏見、雑念等々に囚われすぎているかをきちんと自覚できることが強く求められるのではないでしょうか。 もっとも、実際には、かく言う私自身にとってもなかなか難しいことではありますが。 >1.どうして作者は、鎌倉時代に生きていないのに「あの時は実に巧みに思い出していたのではなかったか。何を。鎌倉時代をか。そうかもしれぬ。」となるのですか。 >この、「あの時」とは、比叡山に行って短文が突如心に浮かんだ時でいいのですよね? 小林は、「あの時」にこそ、鎌倉時代の人々の切実な本物の思想、つまり「なま女房」の心を自分自身の心として感じ取っていたからでしょうね。 なお、われわれが歴史と向き合うというのは、それが鎌倉時代であろうと、他の時代であろうと、とにかくその時代を生きた人々の魂に参入することだ、と小林は言いたいようです。 >2.筆者は「歴史」と「思い出す」ということの関係をどうあるべきだと思っているのか。 >筆者は「歴史」も「思い出す」ことも肯定的に見ていると私は読み取ったのですが、関係をどうあるべきか、と問われるとわかりません。 小林は、「歴史」という言葉をめぐるこれまでの呪縛から自分の頭を解き放ち、過去の人々の生きた証や痕跡(ここでは『一言芳談抄』のなま女房のエピソードや『徒然草』といった歴史資料や遺品のこと)をよすがにして、当時の人々の心をありありと「思い出す」ことが本当の意味での「歴史」だと言いたいのです。 >3.「この世は無常(全てのものは移り変わる?)とは決して仏説というようなものではあるまい。それはいついかなる時代でも、人間の置かれる一種の動物的状態である。」とありますが、「一種の動物」とは、「鑑賞に堪えないしかたのない代物」でいいのですよね?そうなると、いついかなる時代でも人間が一種の動物的状態に置かれるというのは、過去・歴史にはあてはまらず矛盾するとおもってしまったのですがどうですか。 「人間とは、人間になりつゝある一種の動物かな」という言葉が示しているように、小林は、いつの時代であろうと、生きている人間はまだ発展途上の動物状態にあり、死んではじめて完成された、本当の意味での人間になると言いたいわけです。 その意味では、まだ動物段階にある、人間としては中途半端なわれわれが軽々に「自分の価値観」などという怪しげなものを振りかざさない方が賢明だ、ということになるかもしれませんね。 4.「現代人には、鎌倉時代のどこかのなま女房ほどにも無常ということがわかっていない。常なるものを見失ったからである」とありますが、それは、現代人は動く事無い固定点を失ってしまったので、移り変わるものの基準を認識できないということ、でいいですか。 「固定点を失ってしまった」と言うよりは、現代人が人生における確たる目的や生き甲斐を見失い、時代の表層現象に流されているという自覚がないということでしょうね。 それに較べると、鎌倉時代の「なま女房」は、「此世のことはとてもかくても候。なう後世をたすけ給へ」と念じ、浄土欣求という確たる目標だけを信じて「此世」を生きられたということになります。 テスト、頑張って下さいね。
その他の回答 (1)
1、はOK だと思います。 2、は分かりません。 3、は違います。 >この世は無常(全てのものは移り変わる?)とは、いついかなる時代でも、”人間の置かれる一種の動物的状態”である。 常識的に考えて、人間が大きな自然の力や運命などに翻弄されて自身では(科学やら知恵などで)コントロールできない状況をそう表現しているのでしょうね。 4、はこういうことだと思います。 >現代人には、無常ということがわかっていない。常なるものを見失ったからである 3との関係から、(やわな科学万能精神に毒された)現代の人間は、自然そのものの本質を見失ったことで、無常ということも理解できなくなった、というような意味ではないでしょうか。 ご参考になれば。
お礼
返事おくれてしまってごめんなさい。 私の質問にたいして、合っている間違っているをはっきり言っていただけて すっきりしました。 とても参考になりました。ありがとうございました。
お礼
返事おくれてしまってごめんなさい。 ひとつひとつ、丁寧に詳しく教えてくださって感動しました。 すごいわかりやすかったです。 おかげでテストもしっかりできました。ありがとうございました。