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金利と景気の関係で質問です。
金利と景気の関係で質問です。 8月4日に、長期金利が1%割れ(0.995%)となったとの 記事が新聞に載りました。 新発10年物国債の流通利回り、だそうです。 (1)上記の金利が低くなるのは、円高が進んで財政収支が悪くなったから でしょうか。 (2)そもそも金利が上記みたいに1%割れた!なんて事は、具体的どういう 理由で大きな出来事なのでしょうか? すいません、経済に詳しい方、宜しくお願いいたします。
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簡単そうで、実はけっこう難しいご質問です。理屈や理論だけでは、説明しきれないので。 (1)上記の金利が低くなるのは、円高が進んで財政収支が悪くなったからでしょうか。 金利には、市場できまる金利である長期金利と、政策金利である短期金利があります。ご質問の「新発10年物国債の流通利回り」は。もちろん市場金利である長期金利です。 市場金利とは、取引によって自由に決まる金利です(魚の競り価額の金利版のようなものです)。 この市場金利である長期金利が「1%を割れた(下回った)」とは、言い換えれば「1%以下の超低金利に低下した」ということです。 これは大雑把にいうと、銀行など10年国債を投資の対象としている機関投資家が、10年国債の利回りである長期金利が1%以下の低水準となることを許容した、同時に長期金利はさらに低下するのではないかと予想し始めた」ということです。 例えば、ある年にサバが例年にない不漁となり、仲買人はサバ一尾の買付け価格を引き上げざるを得なかったため、サバ一尾の値段が大幅に高くなったのと同じようなものです。 では、なぜ機関投資家は市場金利がさらに低下すると考えたのか。 原因はいくつか考えられます。 まず、円高の進行です。 円高が進むと、輸出企業を中心に景気が悪くなる恐れが高まります。となると、「これ以上、円高が進むのを阻止しよう」という気運が拡がります。 円高を阻止するには、日本銀行が為替市場で「円売り介入」を行う必要があります。円を(大量に発行して)、それを為替市場で売ることで、円の値段を下げるわけです。 つまり、サバの値段が上がった(サバ高)ので、それを阻止しようと、冷凍保存していたサバを大量に売り出す(サバ売り介入)ようなものです。 その結果、市場に出回る円の流通量(サバの流通量)が増加します。 円の流通量が増加すれば、当然、円の金利は低下します。 こうした流れを予想して、長期金利が低下したと考えられます。 ちなみに、ご質問の円高と財政収支の悪化には、直接の因果関係はありません。さらに財政収支が悪化したときは、長期金利はむしろ上昇するのが通常です。 __________ (2)そもそも金利が1%割れた!なんて事は、どういう理由で大きな出来事なのでしょうか? 「1%割れ」という数字自体には、それほど大きな意味はありません。 1%以下の“超低金利”になったということ。その象徴的なできごと、程度です。 これまでも2002年に長期金利は1%以下に低下したことがあります。 ただ、それ以来の1%割れということは、“相当な”超低金利と言うことができるでしょう。 では、そんな超低金利は、「どういう理由で大きな出来事」なのでしょうか。 第1に、機関投資家を中心に「今後も円高が進み、その結果、景気が悪化し、そのため政府・日銀は円売り介入と、低金利政策を一層進めなければならないはずだ」と考える人が増えているということです。 景気の悪化は、われわれの生活を悪化させる大問題です。 それ以外、身近なところでは、長期金利の超低金利が続けば、長期金利を基準に決められる銀行から企業への貸出金利も低下し、さらにはわれわれの預金金利も超低金利に(>_<)、反対に住宅ローンを借りるときの金利も低下(^^) します。 おおよそこのような流れで長期金利は1%以下に低下し、それがどういう意味を持っているのか、ということになります。謝謝。
お礼
めちゃくちゃご丁寧なご説明まことにありがとうございました!!! じっくり吟味して勉強いたします。 ありがとうございます!!