• ベストアンサー

用がもとらない

用がもとらない どうも私共の手紙は、唯長くばかり成って、肝心の思うことが書けないものです。寧そこりゃ貴方に御願ひ申して、手短く書いて頂きたいと思いまして ?? どうして女の手紙というものはこう用が達(もと)らないのでしょう。まあ、私は何枚書き損ったか知れないんですよ。 用がもとらない という部分の意味はわかりませんが、教えてもらえるとありがたいです。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
noname#116804
noname#116804
回答No.3

結論は「達」という当て字の意味を生かして、「用が達せられない(用がはたせない)」という意味になります。 この小説は(明治の小説はほとんどそうですが)、和語に漢字を当て、和語のルビを自由奔放に振っています。 この文の「寧そ(いっそ)」もそうです。 現代人は「寧ろ」ならば「むしろ」と読めますが、「寧そ」は「いっそ」とはなかなか読めません。 でも、「むしろ」よりも「いっそ」の方が、くだけた言葉ですので、「いっそ」を使い、寧という字をあてたのだと思います。 その他「社会」という漢語に「よのなか」とルビを振ったり、「畢竟(つまり)」などのように、当時の一般人の話し言葉に同義の漢字・漢語を当てています。 ですから「用が達(もと)らない」は、「用が達せられない(用がはたせない)」でよろしいと思います。 そこで、「もとる」という言葉をWebilio辞書で調べていましたら、「もとる」の本来の意味(道理に反する、歪む)の他に、鳥取弁で「(口が)達者だ」というのがありました。 悪い意味で使うようです(口先だけということでしょう)。 地方によっては、「もとる」の本来の意味「ねじれる」⇒「悪達者」⇒「達者」のように変化したのかもしれません(これは小生の想像でアテにはできません)。 Webilio辞書「もとる」 http://www.weblio.jp/content/%E3%82%82%E3%81%A8%E3%82%8B もと・る 2 【▼悖る】(動ラ五[四]) (1)物事の筋道にあわない。道理にそむく。反する。 「人の道に―・る行為」 (2)ゆがむ。ねじれる。また、ゆがませる。ねじる。 「毛野の臣人為(ひととなり)―・り很(いすか)しくして/日本書紀(継体訓)」 ------------------------------------------------------------------------- 鳥取弁辞書 もとる 《品詞》動詞 《標準語》(主に「口がもとる」の形で)、口が達者だ 《用例》「あいつは、口だけはようもとる」(あいつは口だけは達者だ)。 《補足》誉めるときには使わない。

pchy
質問者

お礼

なるほどこの例の場合に「もとる」は方言表現なんですね。道理で通じないわけでした。大変勉強になりました。ありがとうございます。

その他の回答 (2)

  • danke3
  • ベストアンサー率38% (556/1455)
回答No.2

「口がもとる」=口が達者 上記の「もとる」と同じでしょう で、「用がもとらない」は 「用をなさない」とか「要領を得ない」 の意味合いでいいと思います

pchy
質問者

お礼

「もとる」はそんな意味にも使われるんですね。勉強になりました。ありがとうございます。

  • cxe28284
  • ベストアンサー率21% (932/4336)
回答No.1

用がもとらない>難解な言葉です。 用は>仕事、用事、役目 などの意味  悖るは(もとる) 背く 反する ゆがむの意味で、人の道にもとる。人倫にもとる。道理にもとる。 用がもとらないでは意味不明で、もとるのもとには達という字はありません。 達するという言葉には、ゆきつく、いたる、とどく、成し遂げる、役立つ、などの意味があります・。 ですから、用が達しない。だと意味は通じます。 どうして女の手紙と云うものはこうも(こんなに)役に立たないのでしょうか。 と云うことなら分かるのですが・・・。

pchy
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。参考になりました。

関連するQ&A