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対照言語学の用語について
対照言語学の用語について 干渉という言語学上の用語の意味が調べてみてもよく解りません。 用例や原因、身近な干渉の例も書いていただけると助かります。
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干渉と転移はちょっと違います。第二言語習得の際に、学習者はすでに第一言語として母語を習得しているわけですが、その母語の文法を学習中の第二言語に使ってしまうことを転移と言います。これが第二言語の習得に役立てば正の転移、妨げとなれば負の転移。この負の転移の場合、すなわち母語の文法を援用してしまっていることが第二言語の習得の邪魔をしている場合を干渉と言います。 例えば、英語のan appleは、ア「ナ」ポーのようなw発音ですが、中学生は、ア「ンア」ップルのような発音をします。これは英語の音素/n/に対して、日本語の「ん」(音素/N/)の規則をかけてしまっている、母語である日本語の音韻規則が英語の習得を邪魔しているわけです(音韻規則も文法です)。こういう現象を干渉と言います。 まあ、誰が使い出したが知りませんが、確かにこういう現象に「干渉」という訳語を付けるのはおかしいですよね。もとのinterferenceで考えてください。
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- SPS700
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干渉(linguistic interference)は、転移 (transfer)(下記)とも呼ばれ、さらに肯定的転移(positive transfer)と否定的転移(negative transfer)に分ける場合があります。 肯定的なのは、母語と学習する外国語の間に共通点がある場合で、例えば母語がドイツ語の学習者が英語を学ぶ際、Vater がドイツ語で「父親」だから英語の father の意味の見当がつく、といった時で、両者の間に親縁関係がある時などに見られます。 否定的なのは、その逆の場合で、ドイツ人の英語学習者にとっては、英語の語順が英語と異なるため、否定的な干渉が見られます。いわゆる「見かけの友達」(faux amis フォザミ)では両語に似た言葉があるが意味が違う場合。例えば、イギリス人がフランス語を学習する時 librairie 「本屋」を図書館、coin 「街角」を貨幣、affluence 「群衆」を富裕、 store「窓のブラインド」を店、professeur 「教師」を大学教授、と誤解する例などが挙げられます。 http://en.wikipedia.org/wiki/Language_transfer 東欧から理語圏の移住した年齢と干渉の違いを数年毎に調査した例には、下記があります。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15731971
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ご回答ありがとうございました。 わかりやすいご説明で、参考になりました。
- bakansky
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Wiktionary [干渉] を見ると、「第二言語を習得中に、その第二言語が第一言語の影響を受けること」とあります。 → http://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%B9%B2%E6%B8%89 言語の学習の際に限らず、ある言語を母語とする集団と他の言語を母語とする集団との接触があれば、お互いに影響しあうことは常識的に考えてもありえることだと思えます。 日本語への中国語の影響のものすごさもその一例でしょう。
お礼
ご回答ありがとうございました。
お礼
ご回答いただきありがとうございます。 母語以外の第2言語習得時に母語の影響が出てしまい覚え方に問題が出ることなんですね。 わかりやすい用例ありがとうございました。