私個人の考えかも知れませんがお酒の好みって蒸留酒好きと醸造酒好きとに分かれる気がします。
もちろんアルコールならすべてOKって人もいますし基本、私もそうではあるのですが。
ウイスキーや焼酎を好んで飲まれているなら蒸留酒好きなのかも知れませんね。
ワインや日本酒は醸造酒です。自然発酵による独特の味わいが好きな人にはたまりません。
私はと言えば醸造酒好きなのです。
ウイスキーや焼酎も飲みますが好んで飲むのはワインや日本酒が多くなります。
また、ワインや日本酒は食事と合わせて飲むお酒だと思います。
食事にあったお酒を選ぶことでその味わいは2倍にも3倍にもなります。
けれど私が20代だった頃、日本で若い私が飲めるワインにろくなものはありませんでした。
どこが美味しいのかさっぱりわからずワインは敬遠していました。
30代も半ばになると一流と言われるフレンチレストランに時々は行くようになりました。
ソムリエが「ワインはいかがいたしましょう」とメニューを持ってきても知識もなければワインに対して興味も思い入れもない私です。
詳しい人が同席していれば任せますがそんな人もいなかったので「おすすめをお願いします」と。
「では」と持ってきてくれた一本のワイン。
それで私のワインに対する価値観が180度変わりました。
まずはグラスに注いだ時の色合い。濃いガーネット色のなんとも美しい色でした。
そして香りを嗅いでみてまたビックリ。複雑で魅惑的な香りが鼻孔いっぱいに広がりました。
なんと良い香りだろう。人生で始めて嗅ぐ香りだ、と思いました。
口に含んでさらに驚愕です。「まるでインクを飲んでるみたい」と思いました。
もちろんインクを飲んだ経験などありません。インクが美味しいわけもありません。
でもそう思ったのです。それ以外の表現をどれだけ探しても思いつきませんでした。
なんとも素晴らしい体験でした。その日から私は完全にワインに恋してしまいました。
それだけのワインならさぞ高かっただろう、と思いますか?
一流レストランですから安いとは言えませんが1万円台前半という良心的な価格がレシートに記されていました。
あとから調べてそれがボルドーのサンジュリアンのワインだったとわかりましたが、はっきりした銘柄は覚えていません。
サンジュリアンは一級シャトーこそありませんが有名な良質のワインの産地です。
その時のソムリエに感服いたします。一流と言われる店だけのことはあったと非常に満足した体験です。
その後のワインブームで日本で飲めるワインの数は飛躍的に増えました。
今ではフランス人より日本人のワイン消費量の方が上回っているとか。
手軽に買える価格のテーブルワインの質も上がっていますし、国産ワインのレベルも20年前とは比べ物になりません。
これだけ多種多様の世界のワインが手軽に飲める国もほかにないだろうと思います。
せっかく日本にいてワインの美味しさに気付かないのはもったいないですよ。
ちなみに全くのビール党でワインなど見向きもしなかった友人が仕事でベルギーに赴任になり、
休暇におとずれたフランスの田舎のレストランで出合った一本のワインで、やはり彼の価値観が総崩れになった体験をしたそうです。
以来すっかりワイン通になった彼。帰国後はフレンチレストランに行く時は彼を誘ってワインを選んでもらう事にしています。
長くなりました。どうかあなたにも衝撃の一本のワインとの出会いがありますように。
お礼
御丁寧な回答ありがとうございます。 読んでいてドキッ!としました。蒸留酒、醸造酒、言われて見れば私は蒸留酒派なのかも知れません。 お酒にあった食物等、一緒に合わせる事で確かに美味しさが増しますね。初歩的な事を忘れていました。(前者の方も言ってました。)ワインに関しては、その道のプロ、ソムリエと言う方がいる事も・・・ 私も経験してみます。 とても参考になりました。 ありがとうございました。