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認知症の人に対し、昔(昭和50年代とか)はどのような介護がなされていた
認知症の人に対し、昔(昭和50年代とか)はどのような介護がなされていたのでしょうか? 近年は高齢化社会の進行で、高齢者の絶対数が増えたことで認知症の患者さんも増え、社会の中でも大きな問題となってきていますが、認知症自体は昔からあったと思います。 では、昔はどのような介護がなされていたのでしょうか? (認知症の介護を苦にして殺人や自殺のニュースを耳にすることが多くなり、昔からそういうのはあったのだろうかと疑問に思いました。)
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こんにちは。 老人問題を本格的に扱った有吉佐和子の「恍惚の人」が出版されたのが昭和47年(1972)、森繁久彌の主演で同名映画化されたのが昭和56年(1981)です。確かテレビドラマにもなったはずです。 私はまだ世の中も知らないガキでしたが、これで日本中に衝撃が走ったのは今でもはっきりと憶えています。日本に初めて老人問題が産声を上げたのは正にこの昭和50年代と言っても過言ではないと思います。 認知症などという病名はまだありませんでしたが、痴呆になる老人がいなかったわけではありませんよね。現在は65歳以上の高齢者が20%を越えていますが、当時はまだ脳卒中と心臓病が高齢化に歯止めを掛け、辛うじて7%程度に留まっていました。医療機関などにどの程度の受け入れ体制があったのか分りませんが、ひと度それが起こったならば家庭崩壊を招きかねないほどの圧倒的な負担であったことは現在と変わらないと思います。加えて、当時は社会の支援や理解など全く得られませんでした。 映画の内容を振り返ってみますと、ある日突然その家族に訪れた事態に介護を任されるのは主人公であるその家の嫁です。サラリーマンである夫は実父でありながら知らん顔、そんなことが世間に知れたら我が家の恥、一切人目に触れないように隠すしかない。区役所や保健所に助けを求めても精神病院に入れるしかありません、という扱いです。 そうなったてしまったら不運とするしかない、決して否定をするわけではないのですが、それまで誰ひとり面と向かってこのことを口にするひとはいませんでした。ところが、原作は別に社会批判的な内容ではないらしいのですが、有吉佐和子はその事実を何一つ包み隠さず世の中に報告しました。見たひとはみんな腰を抜かします。以来日本人は、決して避けて通ることにできないこの国の未来と、何れは直面するであろう自分自身の真実から目を背けることができなくなってしまいました。 有吉佐和子という作家がその題材を選び、作品として発表したのは偶然かも知れません。ですが、それが日本全土に衝撃をもたらしたのは決して偶然ではありませんでした。これから本格的に取り組もうという私たちの国の高齢化対策が万全であるとはまだ言えません。ですが、もし50年代にこのムーブメントがなかったとしますならば、我々国民の意識はもっと低いものになっていたかも知れないです。
お礼
30年前というとそんなに昔ではないのに、そのころは認知症に対する社会の認識が今と大きく違っていたようですね。ぜひ一度、恍惚の人という作品を読んで当時の状況を調べてみたいと思います。 ありがとうございました!!