脳には幼少時に、神経回路網が集中的に生成される「臨海期」と呼ばれる時期があり、この前であれば右脳の飛躍的な発展が望めます。
もともと左脳に障害がある場合、その機能を補完するために右脳が極端に肥大化することが知られています。アインシュタインなどがその例です。いかに補完されようとも彼の左脳の言語機能にはやはり障害があり、彼の著書「相対性理論」は理論そのものだけでなく、誤字・脱字・脈絡の無い文脈がより一層その難解さに拍車をかけていたそうです。他にも幼少時に何らかの病気で左脳の一部を切除した場合にも、右脳の神経回路が異常に発達し瞬間視覚記憶能力など(視覚は右脳に依存している)の特殊能力を身につけることがあるそうです。
また左脳を補完するためでなくとも、この時期ならば訓練によって容易に右脳による特殊能力を開発できるそうです。絶対音感や暗算能力などがこの例です。
臨界期をすぎてしまった場合には、残念ながら極度の発達は望めないようです。しかしながら、脳が開発されるのは神経回路網の生成によってだけではありません。特定の神経回路同士の結びつきが強くなってより電流が流れやすくなることで、疎通という現象が起きます。これによって才能には違いがあっても勉強すればそれぞれに成績が上がるごとく、ある程度の能力の上昇が可能です。
では実際にどのような訓練をするのかと申しますと、右脳が視覚や聴覚と密接に関連していることと関係があることから、そろばんのような視覚に訴えながらの学習などが挙げられます。記憶術や速読術の開発をうたう類の本ではしばしば、右脳開発の実践的な方法が紹介されています。
ただ、それでも臨海期をすぎてしまった脳には一定の限界があるのも事実です。そこで発想を全く逆転し、右脳を鍛えるのではなく左脳の束縛をはずすという方法があります。
人間の左右の脳は対等の関係にあるわけではありません。普通は左脳が優位にあります。これが一時的に逆転すると、それまで自我に抑制されていた右脳からイメージがあふれ出すことになります。入眠時、入浴時、排便時、飲酒酩酊時、躁状態の時などが代表的な例です。
考える人はやはりう○こをしていたようです。リラックス状態が自我の抑制を解き放ち、通常の覚醒時からは想像できない発想を生み出すようです。
同じように入眠時もイメージがあふれ出すときです。発明家には必ず枕元にペンと紙を置いておき、その都度書き留める、ということをしていた方も居たそうです。これはいいアイデアだ、とその場では直感しても翌朝にはスッカラカンになっている経験があなたにもきっとあるはずです。
なお、左右の脳の優劣が常時逆転してしまっている人は天才か変人のどちらかです。逆転している人には端的にその言語活動に特徴が見られます(ある有名なプロ野球選手の例では、右脳が司る空間把握能力が極めて優れていて、ピッチャーの手からボールが離れた瞬間にその軌道を正確に追跡できる程だけれども、それと引き替えに左脳が司る言語機能が拙いわけです)
もしも最後の部分に興味がお有りならば、福島章先生の「天才」という本を一読なさる事をお勧め致します。福島先生や宮城音弥先生の本は外れなく面白いです。
お礼
お時間をかけてくださって、ここまでご丁寧に書いてくださり、大変感謝しております! 感激いたしました。 とても興味が湧いてきました。 本当にありがとうございました!