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宇宙内部の存在全てが一様な平衡状態に達するのか?
- 宇宙の終焉についての調査で、「宇宙内部の存在全てが一様な平衡状態に向かう」の表現があります。
- 数学の法則によれば、有限のものが無限になることはありません。
- 熱力学的に解釈すると、「エントロピーが増大し続ける」ということは、平衡状態に達しないことを意味します。
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数学的に「有限のものが無限になる事はない」というのは量の話で、 エントロピーは「(有形な)量」ではなく、状態を指すので、 「無限大」になっても、問題はありません。 また、別の方も指摘されていますが、エントロピー増大とは 必ずしも「均質になる」ことではなく、たとえば重力場においては、 「水に溶けた泥が下に沈殿(分離)する」ことがエントロピー増大です。 「エントロピー増大」が、イメージされているような、エネルギーが 均等に充満した状態になるには、全ての物質(素粒子)が崩壊せねば なりませんが、その鍵となる「陽子崩壊(基本粒子の陽子が分解する)」 の発見には、未だ成功していないようです。
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- cyototu
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前の回答と同じなんだが、また酒飲んで酔っぱらったついでに、最近の経験を一つ。 最近、某大学の先生からそこの大学院生の日本物理学会のための、生まれて始めての学会発表の練習を聞いてくれと頼まれたんだね。話は面白かった。情報のネットワークの集団に新参者がやって来た時に、果たしてその新参者が生き残れるかどうか、それどころか、その集団の中で指導者的な地位が得られためには、どんな条件を満たす必要があるのかちゅうことを、ネットワークの与えられた規則の枠の中で分析しようちゅうのがテーマなんだね。これを分析すると、ネットワークの話ばかりでなく、新参の企業が生き残るための条件を探る参考になるかも知れん何ちゅうことを言っとった。こりゃあ金になりそうだ。この大学、名の知れた大学なんだが、選ぶテーマも世間擦れしていて、霞み食って生きてる私なんじゃあ思いもつかない現世的なテーマじゃと思ったよ。 ところで、その大学院生がそのネットワークの各メンバーのことをノード、ノードちゅうとった。私は始めぼやっと聞いとったんで、何でこの問題に濃度が関係するのか判らんで、ノードちゅのが濃度じゃなくて節のことを言っちょるのが判るまでに時間が掛かっちまった。だから、こやつの話は始めは全然判らなかった。 学者ちゅうのは、日本語で言えば判ることを、わざわざミミズののたくった言葉で言うのが好きらしく、やたらにカタカナ文字を使う人種なんかね。今様の学者はシナプスだノードだと訳の判らない空気の振動を使って、素人を煙に巻くのが好きなんかね。その点、昔の学者は、ミミズ文字を必ず一旦日本語に直して、素人にでも判るように努力してくれたもんだ。うちの婆さんは、エレクトロンじゃ何のことだか判らんが、電子ならそりゃ電気に関係があるもんじゃぐらい判ると言っちょった。そして、マニフェストは判らんが、公約ならわかると言っちょったよ。 多分、大工の言うノードとは、濃度のことじゃあないよね。また間違えて、こないだのように大学院生から馬鹿にされたくないんでね。
お礼
興味あるお話ありがとうございます。 こっちは、日本酒ですが、今日は特別にひれ酒でした。
補足
はい。濃度でもなく、農奴でもなく、大学院生の言っていたノード(node)と同じです。 その大学院生は西日本出身でしょ。 関東では、濃度とノードではイントネーション、モトイ、抑揚が異なりますから。 私もね、外国語の翻訳努力を放棄して、何でも片仮名でよしとする風潮は厭でね、英語による言語汚染を許してしまっては、日本人の思考力が落ちると思っている方なんですよ。 擬態語と擬声語を除けば、基本片仮名は使わなくても表記できますからね。 だけどね、「節」と言うと、職業柄、すぐに檜の節とか杉の節を思い浮かべてしまうので、節を避けてノードと呼ばしてもらっています。 先生の“学術用語”にもね、判らないのが有ったのですが、ユレーカってなんですか? 文脈から言うとギリシャ語の「みっつけた!」ですかね。 そっちの業界では、深夜にギリシャ語を叫ぶんですか?それとも先生だけ?
- cyototu
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#5です。 だから言ったでしょ。現在の宇宙論のレベルでは、数学的に無矛盾なら、出来るだけ奇を衒ったことを言った方が勝ちだって。奇を衒えば衒うほど益々チンプンカンプンになって、何が何だか判らなくなって来る。そんな状態になると「お前はわかんないだろうが、俺はわかるんだ。どうだ、俺って頭が良いだろう」って言う連中が必ず出てくる。 科学ってのは、進歩すれば進歩するほど、今まで複雑で判らなかった説明が前より簡単になり誰にでも判るようになって来たという経験則があるんじゃ。そしてその簡明さのおかげで、その気にさえなれば誰にでも理解できると言うのが、科学の力であり説得力なんじゃね。 私なんか、研究生活で何か閃きが出るときは大抵は神懸かり。大体夜中の3時ごろ夢枕に女神様が出て来て「お前や、これってこういうことなんじゃぞえ」っなお告げを宣われる。そんなときは、ガバッと起き上がって、慌ててそのお告げのように計算してみると、どうもそうなっているらしいと、パンツ一丁でユレーカ、ユレーカと部屋中を飛び回る。 ところが話はそれで終わらない。もしそれが本当に的を射ているような閃きだったら、その後、地道で退屈で長い長い計算でその閃きの跡づけや整理整頓をして行くと、話が段々明快で易しくなって、益々自信を持って来る。こんなときは本物だ。ところが、始めは明快に見えたのに、丁寧にやればやるほど何か問題に打つかってしまうことがある。ここで恐ろしいことが起こるんじゃ。人間て結構頭が良いもんで、そんな新しい問題も、前よいもっと複雑な説明をすると、その場が解決できるんじゃ。ところが始めの閃きが的を射ていなかったときは、折角その問題を解決しても、また他で新しい問題に打つかってしまう。ところがそれも、前よりもっと議論を複雑にすれば、またまた解決できるんじゃ。だが、また他で問題にぶち当たる。こんなことを繰り返して行くうちに、議論がどんどん複雑になって来て、結局間違っている閃きに、その都度の解決感を味わいながら一生恍惚として人生を捧げてしまうこともあるんじゃ。 これは怖いよ。そんな罠にはまる奴は、きっと前世でよっぽど悪いことをやった奴だな。だからそんな罠に落ちないように、私なんかは女神様のお告げの後、その後の発展を見ながら、話を複雑にすればするほど前よりも判った気になれる場合には、そんな議論は信用しないことにしてるのじゃ。 ところで宇宙論は前よ話が易しくなってるんですかい。それとも、ホワイトホールを通って過去に戻れることは数学的に矛盾していないなんちゅう奇妙奇天烈なことを言い出したり、14次元だか15次元だか知らないけど、この宇宙の次元がやたら増え出したりして、何だか話が前より益々複雑になって来ているんじゃないですかい。
お礼
追加回答、有難うございます。 問題A:一兆と十兆の間に素数は幾つ有るんですかい? 問題B:来週、千葉の現場で上棟式があるのですが、傘は必要ですかい? 問題Aがいくら解けるようになっても、問題Bは解けるようにならない。 棟梁としては、「お天道様に聞けってんだ!」でおしまいでしょう。 宇宙論はどう考えても問題B系だけども、問題Aの解決力が付いてくると、なんでも問題A系のアプローチで解決しようする。 「単連結な三次元閉多様対は三次元球面と位相同形であろう」って、大工にゃさっぱりわからない問題ですが、20世紀初頭にポアンカレが予想した問題を最近になってロシアのペレルマンが証明したらしいんです。 これから位相幾何学的宇宙論が賑やかになるんでしょうね。 私的宇宙論ですけどね、「意思」ってものがあるかもしれない。 大工にも物理学者にも意思ってものが有りますが、カエルやシロアリには有るのかどうか。 その差は、大脳の神経細胞の数でしょう。 こっちは140億ぐらい、あっちはもっと少ない。多分。 つまり、生理学的に同じシナップスでも、ある数を超えて連絡しあうようになると、質的に異なる意思なるものが宿ることになる。 宇宙では140億なんてのは少ない数でね、なんせあっちは星の数ほどある。 140億のノードが何らかのインタラクションをしていると、そこに意思が宿るかもしれない。 恒星間の距離は問題じゃなくて、宇宙はゆっくり考えればよい。Take your time ! 待てよ、時間が相対的だとすると、意外と意思決定も速いかも、、、。 宇宙に意思が宿るとすれば、宇宙の未来はその意思にかかってくる。 そうすると、自殺を選ぶ可能性だってある。 これは、問題Cとして、全く別のアプローチをしないと理解できないでしょうね。 SF小説になってしまいますが、じゃあ「SF小説と理論物理学の相違はなにか?」ってのもなかなか定義しがたいですよね。 Chototu先生の回答は大変にインスパイアリングで、楽しい思考をさせていただくとこができました。 ありがとうございます。 追伸:先生の日本語、上達しましたねえ! 大工言葉に近づいてきた。使用言語の変更によって先生の物理学が質的変化を遂げるかもしれませんぜ。
- cyototu
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重力は長距離力ですので、重力で相互作用し合っている物質の集団には、その集団の大きさの1次に比例して大きくなる、いわゆる示量変数が存在し得ません。ところが、示量変数が存在しない場合には、温度やエントロピーなどの熱力学の基本的概念が定義できなくなってしまい、それらは無意味な概念になってしまいます。別な言い方をすると、重力を本気で考慮に入れると、熱力学その物が意味をなさなくなってしまうので、エントロピーと言う概念も意味をなさなくなってしまいます。いわんや、エントロピー増大等という言葉も意味をなさなくなります。#2さんの言っていることは、その意味で正しいのです。ですから、重力を本気で考慮すると、熱力学的な終焉、あるいは、熱死も意味が無くなってしまいます。さらに、熱平衡状態に向かうだの、達するだのという言葉の違いも、どうでも良いことになります。 実は、近年の非平衡熱力学の発展のおかげで物理学の法則に従いながらこの宇宙に自発的に構造が現れて来るためには、熱平衡状態から十分に遠くに離れていなくてはならないことが判るようになりました。そして、現にこの宇宙には色々な複雑な構造が時間と共に出現して来ました。例えば、この地球では一側面を太陽によって暖められ、その反対側が冷えて行くために、地球は熱平衡状態から十分離された非平衡状態に保たれています。そして、そのために、この地球上では、時間と共に乱雑さが増すのだと言う所謂エントロピー増大の法則とは一見矛盾しているがごとく、次々と複雑で新しい構造が自発的に現れて来ることが可能になっているのです。(注:しかし、地球規模の大きさでは熱力学は成り立っているので、これは勿論見かけ上の矛盾です。) この宇宙を考えても、宇宙全体の物質の世界は次々と進化しながら新しい構造を生み出して来ました。ということは、この宇宙全体を非平衡状態に保つ機構が何処かになくてはならないことになります。その機構を提供しているのが重力であると考えられます。上でも述べましたように、重力まで考慮した多体系では、重力が長距離力であるために熱力学的な概念が意味をなさなくなって来ます。実際、原子や分子の間に働く短距離力だけによる衝突が起こる世界では、示量変数が定義でき、その結果その衝突の繰り返しによって、物理系を熱平衡状態に向かわせようとするのですが(すなわち、エントロピーを増大させようとするのですが)、重力がその熱力学的概念を無意味にしてしまうので、実質的には熱平衡状態に向かおうとすることを妨げて、宇宙全体を非平衡状態に保とうとしているようです。その結果,この宇宙には自発的に次々と新しい構造が現れると言う進化が可能なっているようです。 非平衡状態における複雑な構造の自発的な出現の機構の発見は比較的新しい発見なのですので、ファインマンやランダウなどと言った超一流な物理学者でも、この構造の自発的な出現の機構の発見以前の古い熱力学を勉強した方には、そのような認識がないようです。そして、そのような方達が書いた書物などを勉強して来た方達が、相変わらず、宇宙の熱力学的な終焉とか熱死などという、近年の非平衡熱力学の発展の成果をまるで無視した世界観を語っているようです。
お礼
どうもありがとうございます。 お礼が遅くなったのは、何度も何度も読み返しちゃったからです。 重力ですかい! まるで、キリスト教徒vsイスラム教徒の結末を考えていたところに、 「両者とも実は仏教徒だった」と言われたぐらいびっくりです。 例の「温水と冷水だけからなる閉じた系」も、実は、閉じていなかった、ということですか。 宇宙の行く末は、どういう終焉か?ではなく、終焉の有無も分からない。 私たち人間は本当に無知ですね。
達するとも言えます。 なぜならホーキング先生によればブラックホールも無限の時間の後(正しく言えば、ある充分な時間の後)には蒸発するからです。 でもそれまでにはビッグバンから今までの時間×10^(10)^(10)^(10)^…倍の時間がかかり、それを測定する方法は無いのです。
お礼
ありがとうございます。 ブラックホールからも熱放射は出て来るのでしょうか? それともやはり事象の水平面からは熱放射も出ることが無いのでしょうか? 「測定する方法がない」、測定できなくてもよいですが、”フェルミ推論”でも考え付かないような事に対して「平衡状態に達する」という断定表現がよいのか、、、。 疑問は際限なく続きます、、、。
- mota_miho
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達しません。その「説」は重力の影響が考えられていません。
お礼
ありがとうございます。 物理学の素人ですが、直感的に「達しない」ような気がするので、もう少し調べてみます。
- Saturn5
- ベストアンサー率45% (2270/4952)
数学と熱力学はことなります。 平衡状態に達するまでのスピードは両者の差に比例しますので、 差が小さくなってくると平衡に達するスピードは遅くなります。 数学的に言えば、平衡に達するまでに無限の時間が必要です。 具体的には、25.0℃の部屋に5℃のジュースを置けば、 24℃くらいにはすぐに上がりますが、数学的には25.0℃に なることはありません。 しかし、熱力学では24.999999℃は25.0℃とみなして 平衡状態に達していると考えるのです。
お礼
ありがとうございます。 「部屋の雰囲気」と「ジュース」という系を仮定した時に、それぞれの温度が不可逆的に歩み寄る事は理解できます。 その極限(Lim Time->∞)で平衡状態に達するのも理解できます。 熱力学で実用上の目的から有効数字を決めて、「平衡状態に達した」と判断するというのも理解しました。 でも、「宇宙の終焉」という大きな命題に答えを与えようとするとき、「平衡状態に達した」と言える時がくるのか、やはり、「平衡状態に向かう」という表現にとどめるべきか、悩みます。 多分、数学者は「達しない」と表現し、物理学者は「達した」と表現する地点があるということかもしれません。 少々、”無限病症候群”(?)に取り付かれているようです。 ありがとうございました。
お礼
psytex先生、いつもありがとうございます。 エントロピー増大の法則とは、無限に増大しつづけるわけではなく、「これ以上増大できない」状態があるってこと、よく理解できました。 「エントロピー増大の法則」というよりも、「エントロピーは減少しない、の法則」と命名したほうがよいですね(笑)。 オリジナルの質問では、不可逆反応の代表選手としてエントロピー君を登場させたつもりでしたが、思わぬところで勉強になりました。 すべての物質がやがてエネルギーになってしまう、、、という思い込みは早計なんですね。 陽子崩壊というのが解明されないうちは、「永遠に崩壊しない物がある」という可能性は排除できないわけですね。 大変勉強になります。 どうもありがとうございました。