どの程度のご説明を求められてるかがわかりませんが…。
GPCRというのはまず何といっても構造に特徴がありまして、別名、7回膜貫通型受容体といいます。まるで、糸が縫うような感じで、細胞膜に受容体を形成しています。
そして、機能的な特徴としてはG-proteinと共益していることが上げられます。つまり、受容体にリガンドがくっついた後、Gタンパクがアデニル酸シクラーゼを活性化し、アデニル酸シクラーゼによって活性化されたcAMPがセカンドメッセンジャーとして細胞内にシグナル伝達されて行きます。これによく対比される受容体にチロシンキナーゼ型受容体があります。これは受容体そのものがキナーゼ活性を持っていることから酵素型とも称されます。
なにがそこまでそんなもんが重要やねん、と思われるかもしてませんが、それはGタンパクに秘密があります。Gはいわゆる三つのサブユニットに形成されており、そのひとつであるαによって、活性が変わるのです。ようは、単にアデニル酸シクラーゼを活性化するのではなく、あるリガンドしだいで不活性化することもありえるのです。細胞応答のオンとオフを外からのシグナルであるリガンドに応じて調節できる、ということですね。ちなみにチロシンキナーゼ型はいわばオンのみ(こう言うとかなり誤解があるが)で調節されているとでも言えばよろしいのでしょうか。薬剤師国家試験なんかだとよく、解糖と糖新生のバランスがリガンドによってどっちにいくかなんて問題が出たりしますね。
受容体にはいわゆるリガンドがわからないオーファン受容体があるんですけど、もしもリガンドが特定できれば新しい細胞応答のメカニズムがわかるかもしれないときたいされています。どの受容体がどのリガンドに応答してどのようなシグナルを細胞内に伝えるか、というのは細胞生物学のひとつのホット・スポットなわけなんですね。なにせ、リガンドがひとつ特定できれば一気に新薬の候補に踊り出ますから。あるいはそのアンタゴニストでもかまわないですね。
どの程度が求められているか全然わからないんでこの辺で。
お礼
fujishiro様 ありがとうございました。