再び回答します。
今回は壁断熱のみの説明とします。
貴方の持っている知識は断片的なもので、断熱や壁内結露について十分理解されていないようです。
壁内結露が発生すれば、断熱材の性能低下やカビ、構造材の腐朽の原因となることはご存知だと思います。
壁内結露は室内の湿気が壁体内に侵入して、壁体内に溜まった湿気を外部に排出できない状態、又は排出量より侵入量が多い状態の時発生しやすいのです。
壁内結露を防止する有効な手段は
・室内の湿気を壁体内(構造+断熱)に侵入させない
・湿気を侵入させない手段を講じても尚、少量に侵入してくる湿気を外部へ排出する
です。
これを前提として
材料の選定基準と施工概要は
・断熱部室内側に透湿抵抗の高い(150以上)防湿シートを使用(断熱材被覆フィルムの中で性能を満たしているものは可)、柱部等の木部を含めて完全連続して覆い込み、コンセントボックス等の防湿処理を入念に行う
・充填断熱材は万一侵入した湿気を外部へ有効に排出できるよう、透湿性の高いもの(ボード系や発泡ウレタンでは透湿性が低いので湿気を外部に排出できない、したがって壁内結露の原因となる)を使用する。この性能に優れたものはセルロースファイバー、羊毛断熱材で、次いで軟質繊維(ポリエステル)、グラスウール、ロックウールとなる。この中から選定した断熱材を柱-間柱間に完全に連続して充填する。
・壁体内に侵入した少量の湿気を断熱材と外壁防水シートを透過して外部へ有効に排出するため外壁部に通気胴縁等をを用い通気層を設ける。通気層として有効な厚みは15~20mmです。この時、外壁防水シートは湿気を透過する性質のものである必要があるため、透湿防水シートを使用するのです。
以上を説明とします。
質問の回答ですが
グラスウール=カビ…防湿シート、通気層が有効に機能していないと断熱材の種類に関わらず、壁内結露は発生します。
現場発泡系…発泡系のほとんどは透湿性が低く、湿気を外部に排出する妨げとなってしまいます。
吹付け工法…これは多種類存在しています。この中で壁内結露防止に有効なものとしてセルロースファーバーや羊毛断熱材があります。発泡系の中にもアイネシンのように有効なものもあります。これらの断熱材の中には防湿シートを要しないと表示されたものがありますが、外壁通気層を設けるのであれば、防湿シートを張ったほうがより効果的です。
私がアクリアネクストを提案した理由は
上記の要素を満たしていることと、費用対効果、施工性、経年変化が少ない、リサイクル資源で環境面に良いなどです。
吹付け工法のメリットを優先するのであれば
セルロースファイバーが筆頭候補でしょうか。メーカーの講習を受けた指定業者が専用吹付け機で施工していきます。施工不良を不安に思うことは激減します。コストは比較的高価です。天井=4,000円/m2、壁=2,000円/m2、床=3,000円/m2が相場でしょうか。
補足
何度もご回答いただきまして本当に有難うございます。 吸放湿性の高い(カビの発生しにくい)断熱材としては、 グラスウールが最適だった・・・とお聞きして衝撃を受けております。 グラスウールが湿気を吸い込み縮み、 発生したカビで黒ずんでいる写真を見てから、 断熱材の検討を始めました。 ですので、 グラスウールが最適とは、 (申し訳ないのですが)なかなか信じがたいものがあります。 それ程驚いております。 ボード系の断熱材でもカビを確認したということですが、 現場発砲の吹き付け工法はどうでしょうか。 カビの発生し易い工法と言えるのでしょうか。 こちらの業者は施工した例がないと言ってましたので、 仰るとおり実績不足が心配なところではあるのですが、 心は「吹き付け断熱」の選択に傾いております。 それでもやはりカビに弱いということであれば、 ご提案下さったグラスウールの案を前向きに検討したいと思います。 よろしければ「吹き付け断熱」についても、 ひと言いただければと思うのですが、 何卒よろしくお願い致します。 厚かましいお願いばかりで恐縮なのですが、 どうかよろしくお願い致します。