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ラセミ化
(S)2ブタノールを希硫酸中で放置すると徐々にラセミ化する。 そうなのですが、それはなぜですか? アルコールと希硫酸がどの様に反応するのかわかりません。 スルホン化ではないし、わからないです。教えてください。
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- MackyNo1
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回答No.1
アルコールのような酸素原子を含む化合物は、酸触媒があると水酸基がプロトン化してわずかですが脱水する方向のメカニズムが存在します。 C2H5(CH3)CH-OH + H^+ → C2H5(CH3)CH^+ + H20 このとき、完全に脱水反応がおこると、炭素原子にカチオンが残り、C2H5(CH3)CH^+のイオンができますが、このイオンは平面構造になります。 これに水中のOH^-が攻撃すると(SN1反応)元のアルコールに戻りますが、どちらの面からも攻撃を受けるのでラセミ体が生成することになります。 一方、もう1つの可能性として、水が脱離する上記の平面構造の中間体を経由するメカニズムではなく、プロトンがアルコールに付加した中間体に、その裏側からOH^-が攻撃する機序が考えられます。 このような反応をSN2反応といいますが、この場合は立体が反転することになります(S体はR体に変化)。 上記の2つの機序の違いはありますが、いずれの場合も結果としてラセミ化がおこることになります。 上記の反応機構はエステルの酸性加水分解やアルコールの脱水(オレフィンやエーテルの生成)反応が参考になると思います。 また、ラセミ化についてはSN1反応やSN2反応を調べてみてください。