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ジョージ・スタイナーについて
ジョージ・スタイナーはまったくの未読です。どの書籍から読み始めたら良いか、お詳しい方がいらっしゃいましたらお教えいただけないでしょうか。 またジョージ・スタイナーに関連して、読んだ方が良いと思われるものがありましたら、よろしくお願いいたします。
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質問者が選んだベストアンサー
まだご覧になっておられれば良いのですが。 なにしろスタイナーは幅のある、しかもおっそろしく頭の良い人ですから(マーガレット・ドラブルのお姉さん、というか、最近ではこのお姉さんの方が有名かな、作家であり文学理論家でもあるA.S.バイアットが「遅れてきたルネッサンス人」と呼んだことは有名ですね)、このご質問は、質問者さんが誰なのか、どのような経緯でスタイナーを知るようになったのか、スタイナーを通じてどのような分野を学びたいと思っておられるのか、によって、回答は変わってくる。 もし哲学についての知識はなく、さほど興味もない、それでも文学について知りたい、というのであれば、『悲劇の死』がとっつきやすいかな、と思います。 ロシア文学に興味がおありでしたら、『トルストイかドストエフスキーか』を。実にさまざまな角度から、カミソリのように切り込んでいくのを見ることができます。 翻訳論(といっても、西洋の翻訳というのは、根本にあるのが聖書の翻訳ですから、長い哲学の伝統があるし、そのてっぺんあたりに難物デリダがいる。柴田元幸と村上春樹の対談で話題にされている「翻訳」とはちょっと意味がちがう、といっても通底するものはあるんですが)に興味があれば、『バベルの後に ――言葉と翻訳の諸相』を。 言語学について基礎的な知識をお持ちなら、なんといってもおもしろいのは『言語と沈黙』という論文集です。結構なボリュームがありますが、どこから読んでもおもしろいし、スタイナーという人の問題意識が一番概観しやすいのはこれじゃないかと思います。 音楽に興味がおありでしたら『青ひげの城にて―文化の再定義への覚書』、これはソフトカバーで出ていて、比較的入手しやすいはずです。ただ、ある程度スタイナーがどんな人か理解してないと、散漫なまま終わってしまうかもしれません。 小説を読むのがお好きでしたら、『ヒトラーの弁明 サンクリストバルヘのA・Hの移送』を。ヒトラーが第二次世界大戦後も生き残っていて、アマゾンのジャングルの中で発見される、という設定です。 スタイナーはもちろんユダヤ系の人なんですが、彼の批判の目は、全体主義にも、原題の消費社会にも向けられている。 おそらくこの本の根本にはオーウェルの『1984』があると思うんですが、わたしなんかは逆にここから『1984』がどういう本だったのか、初めてわかったように思いました。 あくまでもわたしの見方なので、そこのところはご理解ください。
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- spring135
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『G・スタイナー自伝』(1997) 工藤政司訳 みすず書房 1998 でしょうか。
お礼
早々のお返事ありがとうございます。 「自伝」ははしょってもいいかな、などと思ってしまっていたのですが、そこから入るのが良いかもしれないと思い直しました。どうもありがとうございました。
お礼
たいへんご親切なご回答をありがとうございます。質問の意図が曖昧で失礼致しました。 言語学にも哲学にも浅学な者ですが、言語と言語によるコミニュケーションについて考察を深めたい、できれば系統だてて読書していきたいと考えております。 『言語と沈黙』が、私にいきなり読めるかどうか、スタイナーを読むならどこから入るべきかと悩んでいました。(その悩みが既に私的で曖昧なので、まずは自分で手に取るべし。と反省しています。) ご回答頂いて、『ヒトラーの弁明 サンクリストバルへのA・Hの移送』をまず読むことに決めました。(『1984』も再読します!)それから『言語と沈黙』に行こうと思っています。他に挙げていただいた本すべてに興味をもちましたので、時間がかかっても読んでいこうと思います。 分からないことがありましたら、またご質問させて頂きたいです----今度はもっと具体的なテーマをもって。 ありがとうございました。