PCTFEについて

質問

高分子PCTFE（ポリクロロトリフルオロエチレン）を溶解させる有機溶媒を探しているのですが、なかなか見つかりません。
１８０℃　以下で PCTFE を溶解させることのできる溶媒をご存じの方、教えてください

回答No.2

shota_TK · ベストアンサー

1)SP値っていうのは，Solubility Parameter（溶解度パラメータあるいは溶解性パラメータ）のことです．

溶剤には，水性のものと油性のものがありますよね．水性の代表は「水」ですし，油性の代表はオイルです．世の中には，その中間的な溶剤も存在します（アルコールとかエーテルとか）．そういった溶剤の「水性or油性」を数値にしたのが溶解度パラメータSP値です．（詳細は下記URL）
http://www.yrc.co.jp/mb-techno/use/07.html

で，水のSP値は約23，オイルの成分のひとつであるヘキサンのSP値は7.2で，ほとんどの溶剤はこの間の数値をとります．

プラスチックの溶解性は，SP値によってある程度決定づけられます．プラスチックのSP値と，溶剤のSP値が近い場合には親和性が高く，溶ける場合もあるんです（例えばアクリルSP値=9.2とアセトンSP値=9.8）．PCTFEのSP値のデータはありませんが，PTFEは6.2で，プラスチックの中でも最も低い値となります．

恐らく，PCTFEもSP値の低い溶剤に溶けやすいと考えられます．そこで，(2)の質問ですが・・・

SP値の低いヘキサンを第一候補に挙げました．あと，クレゾールはナイロン（SP値がとても大きい）を溶かしますので，ヘキサンとクレゾールを比べれば，SP値の大きいものがいいか，小さいものがいいかがわかりますね．全く未知のポリマーの場合，この両者と水，アルコール，アセトン，エーテル，ベンゼンは，普通，まず最初にトライすると思います．あとTHFはプラスチックの分野でよく溶剤として使用されています．

ご質問に「なかなか見つからない」と書いてあったので，少なくとも，上記の溶剤は試したのかな？って思っていました(笑)．

あと，クロロホルムのSP値は5.4と非常に小さいので，これも有望かも知れませんね．前回の回答で「SP値の低いハロゲン系の溶剤」というのは，こういう溶剤のことです．

ただし，溶解性はSP値だけで決まるのではなく，ポリマーと溶剤の化学構造に強く依存します．似たような化学構造のものがいいんです．化学構造が似てくるとSP値は結果として近い値になるので，とても参考になるパラメータなんですね．

3)分離膜ですかぁ・・・ぼくはプラスチックの人間なので，膜はわからないんですよねー．Polymerなどの学術雑誌にもよく出ていますけどね．膜は独立した分野になっているので，そういう文献をさがした方がいいのでは？国内では高分子学会とか化学工学会でよく目にします．

全然わからなければ，分離膜のどういう内容を探しているのかを明記して，再度質問するといいですよ．

お礼

たくさんの質問に答えていただきまして
ありがとうございました。

溶解度パラメーター（ＳＰ値）の知識については
高分子と溶媒の溶解度パラメータによって、
その組み合わせの相性知ることが出来るという
曖昧な知識しかなかったので、勉強になりました。
ありがとうございました。

分離膜では溶解度パラメータが
近すぎず、遠過ぎない相性の組み合わせで
溶解させないといけないので、
いろいろな溶剤を用いて、
試行錯誤しながら、実験を進めていきたいと思います。

ありがとうございました。

回答No.1

shota_TK

難問ですね．文献によると・・・
hot amines, aniline, dimethylamineに対する耐性が低い，と書いてあります．また，ハロゲン系溶剤に対し可塑化する，という記述もあります．金属ナトリウムにより攻撃を受ける，とも．

もちろん，ヘキサン，クレゾール，THFあたりはもう確認済みですよね．SP値の低い溶媒でハロゲン系のものがよさそうですが…

お礼

質問の前に、ありがとうございました。
御礼の言葉もなく、すいません。
あと、質問多くてスイマセン

補足

返事が遅れてすいません。

もうひとつ、すみませんが
いくつか質問があります
　　なにぶん初心者なもので…

(1)SP値ってなんですか？

(2)“ヘキサン，クレゾール，THFなどはもう確認…”
　というのは、どのデータから分かること
　なのですか？

(3)分離膜についての文献は、
　どのようなものがよいですか？

たくさん質問してしまって申し訳ありませんが
お時間に余裕のある時で結構ですので、
もしご存知ならお答えください

よろしくお願いします