お尋ねの内容については、個人情報保護法を持ち出すまでも無く、既存の法律で定めがあります。
電気通信事業法第4条(秘密の保護)
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵しては
ならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者
の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守
らなければならない。その職を退いた後においても、
同様とする。
同法第35条(業務の停止等の報告)
電気通信事業者は、第8条第2項の規定により電気通信業
務の一部を停止したとき、又は電気通信業務に関し通信
の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生
じたときは、その旨をその理由又は原因とともに、遅滞
なく、総務大臣に報告しなければならない。
同法第104条(罰則)
電気通信事業者の取扱中に係る通信(第90条第2項に規
定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の
懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、
三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
単に「業務における規律・権限を超えて取得した」だけなのであれば、通信会社内部における懲戒(労働契約違反)の問題ですが、これを第三者に漏出した場合には、通信の秘密を侵すことになりますので、前掲の罰則の適用対象になるものと思います。
第三者に漏らしたのではなく、個人的に利用した場合には、当該通信会社の内部規律違反の問題になります(通信事業者は秘密保持のための内部規律を定めることが事業の許可条件になっていますから、必ず守秘義務に関する内部規則があるはずです)。
なお、刑法の背任罪(第247条)は
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第
三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その
任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたとき
は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
というものですが、目的犯ですので利得または加害の意思を明らかにしなければならず、全ての場合にあてはまるものではありません(非営利での私的利用はあてはまらないからです)。このため、前掲の電気通信事業法の罰則に意味があります(同法の罰則は利得や加害の意思を問題とせず、漏出それ自体を罰則の対象とします)。
お礼
具体的な条文を挙げての回答をありがとうございます。参考にさせていただきます。