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シューマンのピアノ曲 ”詩人は語る”について。始まりが不安定な気がするのですが・・
ピアノを再開した大人です。子供の情景が気に入って練習しています。 個人的な意見なのですが最終曲”詩人は語る”の始まりがどうも不安定な気がしてなりません。 こういった始まりの曲はシューマンに多いのでしょうか?また作風としてリットがよく使われますが、これも特徴の一つですか?だとしたら何故シューマンはリットが好きなのでしょうか? 和声など専門的なことは分かりませんが、どなたか教えて頂けましたら幸いです。
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遠い昔に弾きました。あまりうまく弾けませんでした… 和音。 この曲、最も断定的な、落ち着く感じを与える、 「I度で、展開なし(GonG)」の和音が、 曲の最後まで現れません。 現れないまま短調終止がきたり、 減七(Adim)のような不安定な和音のフェルマータが来たりします。 途中の小さい音符で書いてある、自由に即興的雰囲気で弾く部分も 基本、この減七の不安定な響きに基づいています。 これが、最初、そして、全体を通しての浮遊感、不安定感の理由でしょう。 しかし、見方を変えると、和音の流れがとてもおしゃれです。 19世紀前半~中盤の前期ロマン派の曲になりますが、 この時代はこういうものが多いと思います。 ルートに落ち着かないで、ベースがメロディーになっているような流れる動き。 ほとんど、2度(隣の音)しか動きません。わずかに3度が数カ所、5度は最後だけ。 大変味わい深いものだと思います。 あと、リットについて質問されていますが、rit.=ritardandoのことでしょうか。 rit.すると自然に聞こえる、という部分と、 あえてrit.して緊張感を出す、という部分(小さい音符の部分の直前など)が あると思います。 ritに限らず、この時代の作品(ロマン派前期、19世紀中盤ぐらい)は、 テンポを揺さぶってナンボ、というところがあります。 揺らすぐらいでないとおもしろくありません。 しかし、揺らし方にセンス、曲の解釈が問われます。 下手に揺らしても、しつこかったりくどかったり、となってしまいます。 CDでも音楽配信でも その道のプロが弾いているのを聴いてみるといいと思います。 最初は全体をつかんで、何度か聴いたら譜面とにらめっこして 神経をつかって注意深く。テンポのゆれはどうか、音の強さの変化はどうか。 そうすると、rit.の意味が見えてくるのではないでしょうか。
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- trgovec
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シューマンについては詳しくないのですが、和音の組み立て方が不安定というか、地に足がつかないようになっています。 初めのところが V7 - I - V7 - I となっていますが、コードネームで書くと D7onC - GonB - D7onA - GonB ここまで全ての和音の一番低い音がルート音(根音http://kotobank.jp/word/%E6%A0%B9%E9%9F%B3)になっていません。根音を一番下にするのがもっとも落ち着いて聞こえますが、当たり前すぎるともいえます。特に D7onC のような「根音から7度が一番下」にあるときは、一番下の音がさらに下がるように期待させます。また最低音(ベース音)が比較的狭い範囲で、全音か半音で上下する動きは(このあとも D まで上がってまた下がります)どこかふわふわして思い切って次のステップへ進まないような感じがします。この手法は、コードは違いますが「硝子の林檎」という曲で使われています。 和音のことしか書けませんでしたが参考になれば。
お礼
根音という言葉も初めてしりました。硝子の林檎という曲も調べてみますね。お時間割いていただき嬉しいです。 本当にありがとうございます!
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません(回答に全く気づかなかったことを お詫びします) とても分かりやすいご回答です!ありがとうございます。 益々弾くのが楽しみになる作曲家だと思います。頑張ります。