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酸化物半導体の見分け方?
酸化物半導体にはTiO2、ZnO、StTiO3などありますが、どのようにしてそれらが半導体だと分かるのですか? 例えば、新規物質が出来た場合、構成元素を考えて、 分子軌道などから推定することは可能なのでしょうか? (分析装置を用いずに頭で考えて答えを出すことは可能なのでしょうか?) 論文、文献等ありましたら教えてください。 一応大学4年まで化学専門で学んでいたので専門用語もほぼ分かると思います。 分かる方がおられましたらぜひお願いします。m(_ _)m
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- iykm
- ベストアンサー率22% (5/22)
> 例えば、新規物質が出来た場合、構成元素を考えて、 > 分子軌道などから推定することは可能なのでしょうか? 参考URLにあるバンド計算プログラムなどにより、バンド構造(E-k曲線)を描いて、 伝導帯や価電子帯がフェルミレベルと重なっていなければ半導体です。 伝導帯の底の曲率が大きければn型、価電子帯の頂上の曲率が大きければp型に なり易くなります。
- Umada
- ベストアンサー率83% (1169/1405)
nnngggoooさんのご質問の内容は「実験などをせずに、ある物質が半導体になるのかそうでないのか理論的に予測できるか」ということですよね。 答えは「できる」です。ただし構成元素とその空間的配置(=結晶構造)、原子内部のポテンシャル関数などの情報は必要です。また実際に計算を行うには、近似のしかたや演算の方法を工夫する必要があります。 私も聞きかじり程度でしかないので以下の説明には誤った理解をしている部分もあるかと思います。その場合はどうぞお許し下さい。 いま図1のような量子井戸(壁の高さは無限大)の中に電子を1個閉じ込めたとします。電子の状態を知るにはSchroedinger方程式を解けばよいわけですが、このとき電子は境界条件の要請から、離散的な特定のエネルギー値しか許されないのはご存じの通りかと思います。 ↑エネルギー ・ ・ : :壁の高さ無限大 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃○ ┃ ┗━━┛ 図1 量子井戸 一方まったく何もない、ポテンシャルが一様に平坦な空間に電子を置いたなら、その電子はいかなるエネルギー値でも取りうることもご承知かと思います。 ではその中間の、図2のように量子井戸が無限に連なった構造中に電子を放り込むと、その電子にはどのようなエネルギー状態が許されるでしょうか。 ↑エネルギー ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┏━━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ━┛ ┗━┛ ┗━┛ ┗━┛ ┗━ 図2 1次元周期構造(Kronig-Pennyモデル) 境界条件に気を付けながらSchroedinger方程式を解くと、あるエネルギーを有する電子は存在を許され、別のあるエネルギーを有する電子は存在を許されず、ということが生じます。すなわちバンド構造が発現します。 実際の物質では原子が規則的に配列することでこのような周期ポテンシャル構造が構成されています。図2では単純な形状でポテンシャルを表現しましたが、実際には原子内部のポテンシャルはもっと複雑に変化します。また図2は1次元ですが、実際の物質は3次元でしかももう少し複雑な結晶構造をしていますから、そこまで含めて計算する必要があります。その計算法は最初に述べたように、ポテンシャルをどのように近似してどのように演算するかの違いで各種のものが提案されています。 この計算を行えばバンドギャップの値を求めることができますから、その物質が半導体になりそうかどうか分かるわけです。 参考になりそうなページとして、とりあえず下記を挙げておきたいと思います。 [1] 「固体物理計算と計算機」 http://www.bandstructure.jp/SAMP/summer/ 無機材研(現、物質研)の小林氏が、若手研究者向けのセミナーで用いたOHP [2] 「バンド計算入門」 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/4765/INTRO/intro0.html 前出小林氏のページ。 [3] フリー百科事典"Wikipedia" http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E7%90%86%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E8%A8%88%E7%AE%97 バンド計算に関連した用語の解説などがあります。 [4] 書籍紹介「バンド理論」 http://home.hiroshima-u.ac.jp/fpc/oguchi/band-theory.html この本自体は読んだわけではないのですが、このページにある紹介の文章は分かりやすくて参考になると思います。
- apple-man
- ベストアンサー率31% (923/2913)
断片的で申し訳ないですが、 ホール効果を確認すると、 これらがN型半導体であることが わかると思います。 理論的には先のバンド理論で、 電子のエネルギー順位で説明。 電子密度、熱伝導率の測定で 裏づけられると思います。
- apple-man
- ベストアンサー率31% (923/2913)
>分子軌道などから推定することは可能なのでしょうか? (分析装置を用いずに頭で考えて答えを出すことは可能なのでしょうか?) バンド理論で説明が可能と思います。 ちょっと話違いますが・・・ >TiO2、ZnO、StTiO3 えーと、これ全部N型半導体ですよねー そう私にわかるということは、何か意味が あるはずなんですが・・・ 透明ということは、自由電子がない・・・ 再外殻電子が1個あまるかな?
- apple-man
- ベストアンサー率31% (923/2913)
1つの方法としては、温度変化に対する電気伝導 特性を見ればいいと思います。 自由電子による電気電動ではありませんから、 半導体特有の、温度上昇に対して抵抗が下がって いく傾向が見られると思います。
お礼
apple-manさん、Umadaさん、ありがとうございます。&お礼送れてすいませんでした。 Umadaさんの参考ホームページは少し難しかったですけど、書籍を借りて勉強し直そうと思います。 回答はほぼ理解することが出来ましたが、 半導体かどうか分かるには難しい計算が必要との事ですよね?では、頭の中のみで考える(周期表くらいは見てもOK)って事は無理なのでしょうか? もしよければ回答下さい。 よろしくお願いします。