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銀塩化銀電極で液間電位差が問題にならないのはなぜですか?
銀塩化銀電極などの参照電極では寒天などによって 測定系の溶液と参照極側の溶液は別のものを用いますが(銀塩化銀電極であれば飽和KClなど)、 液間電位差が問題にならないのはなぜなのでしょうか? 測定系の溶液の種類によって参照極側の溶液との間の電位差が異なるため 作用極によってかかる電圧にオフセットが乗るというような現象が起きそうな気がしますが、 このようなことはなぜ問題にならないのでしょうか?
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塩橋の役割ってのが理解できないってことですか? 液間電位差ってのは,陽イオンと陰イオンの輸率が違うときに,濃度勾配が発生するところに電位差が発生するものです. 逆にいえば,輸率が等しければ発生しません.完全に等しいというのは無理ですが,KCl や KNO3 はかなりよい組み合わせです. これらの高濃度溶液を塩橋にすれば,これらが相手側に「染み出す」ことで,測定溶液との間に「輸率の等しいイオンの組み合わせでの濃度勾配」のある空間が作られ,そこでは電位差がほぼ発生せず,液間が接続できるわけです. 塩橋からの染み出しが問題になるときには二重液絡を使いますが,この正しい使い方もあんまり一般的に理解されてない気がします.要は測定溶液との間で染み出しや染み込みがおこってもいいような (汚染という意味でも液間電位差という意味でも) 塩橋をまずかまし,中間液相を介してKClのような無難な塩橋をもう一段介して参照極側の内部液に接続すると. これを行うと,参照極の内部液が測定溶液で汚染されることがなくなるので,そのことばかりが強調されていて (それはたしかに大変重要なことではある),測定液側のことがあまり重視されていない気がします.測定液側のことを考えれば,こちら側の塩橋は測定電解液と同じもので構成し,次のKCl塩橋につなぐとかいうのが合理的なのですが,そういう使い方を具体的に解説した本があんまりないのはどうしてなんですかねえ.同じ電解質を高濃度にして使うとかいう,手間をかけて本筋を外してしまっているような実験もみたことがありますし...