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しきい値電流と動作電流

レーザーダイオードの「しきい値電流」と「動作電流」ついて教えて下さい LDのデータシートをみていると、「しきい値電流」と「動作電流」という項目があります。 「しきい値電流」というのはそのLDが発振を始める電流の範囲と理解していましたが、、「動作電流」の意味がよく分かりません。 (メーカーによって「動作電流」の項目がないものもあります。古いLDではその反対もありました) (1)たとえば 「しきい値電流」が標準で60mA、最大で80mA 「動作電流」は標準で95mA、最大で130mA (2)ちがうメーカー製では 「しきい値電流」標準で40mA、最大で70mA 「動作電流」の項目が無し となっていたりします。 (1)の場合ですと「動作電流」が95mAからなので、そのアンペア数からLDの性能が発揮し始めるのかなぁと思っていますが… (2)の場合ですと、70mAから上、何mAまでいけるのかが分かりません この辺あたりがよく分かりません・・・ どなたか初心者の私に理解できるように教えて頂けませんか? 宜しくお願いします ※素人ですが危険は承知して試しております

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  • inara1
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回答No.2

元半導体レーザ開発エンジニアです。 動作電流とは、ある「定格光出力」を出すために必要な電流のことです(しきい値電流<動作電流 になります)。「定格光出力」が何mWなのかは製品の型番ごとに決まっています。 三洋半導体のレーザダイオードのカタログ(http://www.sanyo-photonics.com/images/company/2008Catalog_JPN.pdf)の5ページの右下にある「産業用レーザ特性一覧」を見てください。表の「電気的光学的特性」の「条件」のところの Po が定格光出力になります。この光出力が得られる電流が2つ右の列の動作電流 Iop になります。「絶対最大定格」のところにある光出力も同じ Po の記号ですが、これは間違いで、Pomax が正しい記号です。Pomax は絶対に超えてはいけない光出力のことです(これを超えると著しく特性劣化したり素子が壊れる恐れがあります)。6ページの左下のグラフ(下側のほう)に電流-光出力特性が出ていますが、Iop の電流を流したときの光出力が Po になります。 半導体レーザには普通、光出力をモニタするためのフォトダイオード(PD)が内蔵されています。光出力が Po になったときのPDの電流が、「産業用レーザ特性一覧」の「モニタ電流」になります。通常は、PDの電流がこの電流値になるように駆動電流を自動的に調整するAPC(Auto Poaer Control)回路で動作させます(カタログの32ページの右側)。半導体レーザのしきい値電流は温度依存性が大きい(動作電流も同様)ので、定電流(ACC)駆動だと、高温で発振しなくなったり、逆に低温では光出力が大きくなりすぎて絶対最大定格を超えてしまうことがあるので、温度が変わっても一定の光出力が得られるようにAPC駆動するのが一般的です。 >メーカーによって「動作電流」の項目がないものもあります 動作電流が規定されていないということは、定格光出力が規定されていないということになりますが、そういうことはまともな製品ではありえないです。そういう記載がな場合は、しきい値電流を超える電流領域では、電流が 1mA 増加すると光出力は0.3mWくらい増加するのが一般的なので、しきい値電流+10mA の電流を流せば概略 3mW の光出力が得られます。しかし、半導体レーザは過大な光出力を出すとほとんど確実に壊れますので、このようないい加減な駆動方法はしないほうがいいです。内蔵PDで光出力をモニタしてAPC駆動するのが安全です。

guiterfrea
質問者

お礼

最初の方の回答に加えて、専門の方の詳しい解説でより深く理解する事が出来ました。LDはいろんな分野、製品で使われていますが、はて僕ら素人がちょっと調べてみようとすると、あまりネット上にも情報がありません。気をつけながら、素人範囲で色々やってみたいと思います。ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • semikuma
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回答No.1

「しきい値電流」の理解は合っています。 「動作電流」は、そのあたりの電流で動作させると、カタログや仕様書に記載された性能が保証できる、逆に言うと、「このへんで使ってね」というメーカからのお願いのようなものです。 動作電流の記載がないものは、そうした性能保証がないと思った方がいいでしょう。 自分でI-L特性を見て、カーブが寝てくるよりも下の電流で動作させるのが無難です。 尚、レーザは電流を流しすぎると温度補償の限界を超え、出力が低下したり、波長が変わったり、シングルモードがマルチモードになったりする他、故障を早める原因ともなります。 最大動作電流は超えないよう気をつけましょう。

guiterfrea
質問者

お礼

分かりやすい回答ありがとうございました。理解できました。

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