「建築・インテリア専門誌」ではありませんが、別のジャンルの出版社で
専門雑誌の編集者をしていたことがありますので、一応「経験者」として
お答えします。
専門雑誌の編集者にとっては、まず専門分野の知識は必須です。極端な
話、それがわからないと、周りの人が何の話をしているのか理解できま
せんから。そして、その専門分野が人並み以上に興味や関心を持ってい
るというのが一つの条件になるでしょう。
そして、専門分野の知識と同じくらい大切なのが、本や雑誌というもの
を読むのが好き、そして文章や絵で表現するのが好きであることです。
本や雑誌をほとんど読まないという人、表現するのが苦手な人は、編集
者には向いていません。
本や雑誌の編集実務に関する知識は、知っているにこしたことはありま
せんが、新卒採用であれば入社後に学ぶことができるでしょう。ただし、
出版業界は構造不況のまっただ中なので、新卒で採用されるのはかなり
難しいと思ってください。
建築・インテリア関係の雑誌、と言っても、発行している出版社は大手
もあり、また専門出版社もあると思います。誰もが名前を知っているよ
うな大手出版社は、入社試験が難しく、当然門戸は狭いですし、採用さ
れても希望通り建築・インテリア関係の雑誌の編集部に配属されるとは
限りません。たとえ配属されても実際の編集業務は、下請けの編集プ
ロダクションがやっているというケースも少なくありません。
専門出版社は、多くの場合中小企業ですから、こちらも新卒の採用は多
くはないでしょうが、「どうしても建築・インテリア関係を」というの
なら大手出版社よりいいかもしれません。また、中小出版社の場合は、
表向きは新卒採用していなくても、縁故で採用が決まったり、アルバイ
トから正社員に昇格したりすることはありますから、あきらめず丹念に
捜してみてください。
私がアドバイスできるのは、最初から「建築・インテリア関係」の「雑
誌」にこだわらない方が、編集者にはなりやすい、ということです。
一度、出版業界に入ってしまえば、「○○を編集していた経験がある」
という経歴で、別の出版社に転職することは、新卒で採用してもらうの
に比べてはるかに容易です。
出版社に限らず、編集プロダクションでもいいとか、雑誌に限らず書籍
の編集でもいいとか、最初はジャンルをもう少し広く考えてみるという
のも、最終的な目標に近づくステップと考えれば有益な方法だと思いま
す。
飛び込みでの応募については、何とも言えません。
通常は門前払いだと思いますが、あなたがユニークなキャラクターの持ち
主であれば、もの好きな社長の目にとまって、一気に採用になるなんて
こともあり得るでしょう。