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kg重系の力表記について疑問3つ
さきほどお昼のTVニュースで 「老人ホームを襲った時速25kmの土石流の力は、9t[トン]に達し、これは車8台分に匹敵する」 という言いまわしがありました。 すくなくとも、局のDや記者が考え付くような言い回しではないでしょうから、現場をみた研究者から、何らかの解説があっての作文だと思います。 さて、わたしは力学は流体力学含めて、あまり得意ではないんですが、現在は、研究所ではもちろん、機械系の企業でもkg重系の力表記は禁止しているところが多いと思います。 しかし、報道分野では、N(ニュートン)という言葉を聴いた記憶はあまりありません。 そして、このニュースの言い回しには、kgf系を使った気持ち悪さ以外の、違和感や疑問を感じてしまいます。 で、質問は以下の3つです。 【1】9tはどうやって計算? 梱包の落下試験などをやると、「撃力的なものを測るのは、難しいことだな!」と感じます。ちょっとした梱包や、当たり方の違いで、何割も結果が違うからです。ましてシミュレーションや数値計算は難しそうな分野に思えます。 装置を用いて、センサもちゃんとつけても難しいのに、土石流が「9t」だと言いきれるのは、かなり手法が確立している気がします。 土砂災害の分析や数値計算というのは、流体の静圧・動圧にプラスして色んな難しさがあるんだと思うんですが、「9t」という有効数字を担保している理論はどのあたりにあるのでしょうか? 【2】9tというのは「動圧」的な概念ですよね? 「土石流が9tの力」と言ったとき、すくなくとも静圧的な側面はすくなく、動圧もしくはごく短時間の力変化だと思います。ところが「車8台」は、善意に解釈しても、車8台分の重力で、動圧的側面は見えません。車8台が時速25kmでぶつかった力でもありえないでしょう。これを説明した土石流の研究者は、何を言いたかったのでしょうか? 【3】災害のスゴサは、力の大きさで比較するのか? ものの破壊の要因に撃力的な側面があるのはわかるんですが、破壊は結局、力積や力積の時間分布によるんだと想像してしまいます。破壊力学もド素人なんで、トンデモ質問なのかもしれませんが、災害の大きさを力であらわすのには、違和感があります。 以上です。どれでも結構ですんで、よろしくお願いいたします。
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お礼
くわしいお答え、ありがとうございました。 理解が深まりました >9tではなくて9t/m2です。 はい、理解しました。 圧力のみを問題にして、 撃力かどうか?(時間あたりに移行する運動量の大小)は 問題にはしていないのですね。少し不思議は残りますが。 >p=Cd×ρ×V^2×1/2g よくわかりました。 抗力の定数Cd、という考えとを用いて 流体の動圧(液体の運動エネルギー密度)と 同様な考えであるわけですね! なんでも、自動車の空力抵抗なども 同じ考えなんだとか・・・なるほどな~と思いました。 反発係数、ヤング率、形状ファクター・・・など衝突に 関わるすべてをこのCdにくりこんで力のやりとりを表現 している感じなのだろうと理解しました。 とても理解が深まりました。 1.8t/m3という値も、土石の密度としては、とても もっともらしい!(笑)値ですね!、スッキリしました。 >視聴者に9tといった場合どれくらいの力なのかピンとこない 専門家の方に、TV局の意向まで推理していただいて 恐縮でございます。 今回のご質問のベースについて、補足しておきますと テレビ局がよく使う 「東京ドーム3個分の面積」とか 「1万件の家庭1年分のエネルギー」とか言った 一見わかりやすい風で、実は不可解で、感覚だけに訴えるような 単位の使い方や 「ミリバール」を「ヘクトパスカル」などという中途半端なSIに 切り替えたくせに、 「トン」という、力と質量を誤解させるような上に、SIでもない ヌルイ言い回しを使ったあたりに、 非常な違和感を感じたことが、動機でありました。 どうもありがとうございました。