何度か失業してそのたびに給付を受けていた場合は、定年で退職した時の給付額はおそらく減ると思います。というのも、失業保険が受けられる給付日数は、被保険者であった期間が、
・1年未満(※受給できない場合あり)
・1年以上~5年未満、
・5年以上~10年未満、
・10年以上~20年未満、
・20年以上
というように区切られていて、さらに離職時の年齢によっても給付日数が変わります。しかも、受給金額はそれまでもらっていた離職前の賃金に基づいて計算されます。(一日の給付金額の目安は、離職前の日額賃金の5~8割。平均的には6割~7割ぐらいです。)
●例えば、
・Aさんは1つの会社で定年60歳まで勤めた(被保険者であった期間20年以上)。
・Bさんは30歳で一度転職し、失業保険を受けた後、再就職、その後は同じ会社で定年60歳まで勤めた(被保険者であった期間20年以上)。
という場合でも、離職前の賃金はおそらく中途採用のBさんよりもAさんの方が高いと思います(最近はそうとも言い切れませんが)ので、受給期間(60歳以上~65歳未満で被保険者であった期間が20年以上なら240日)が同じであっても、もらえる金額には差が出ます。
まぁ、この場合はBさんも20年以上同じ会社で働いたという実績があるため、それほど大きな差はでないと思いますが。
だた、Bさんが30歳で転職したあと失業給付をうけて、さらに40歳で転職、また給付、50歳で転職と10年ごとに転職を繰り返し、そのたびに失業給付を受けていた場合は、同じ会社で定年60歳まで勤め上げた人とはかなり差がでます。
●具体的には、
・Aさん(60歳)、受給期間240日(離職前はかなりの高賃金)×50~80%の間で基本手当日額の上限を超えない金額(毎年8月1日に金額改正)。
・Bさん(60歳)、受給期間180日(離職前も経験が浅いのでそれほど賃金は高くない)×50~80%の間で基本手当日額の上限を超えない金額(毎年8月1日に金額改正)。
しかも、Aさんは退職金も多いだろうし、Bさんはそれほどでもないだろうし、というようなことを総合的に考えると、ずっと働きつづけていた人のほうが絶対に得だと思います。
というか、失業保険の金額で損得を計るのは難しいように思います。失業した時点で既に損ですから(^^;)…。働きつづけていた人は、その間ずっと給料がもらえるのですし。
失業したら、再就職できるかどうかも不確定ですし、自己都合で辞めた場合は待機期間(実際にお金が手元に入るのは約4ヶ月後)がありますし、満額受給するにはその間ずっと無職であるということが条件となりますし(つまり失業給付以外に収入がない)。
働かずして、お金がもらえるということだけを考えれば、魅力的に映るかもしれませんが、総合的に考えればそんなにオイシイ話ではないと思います。
また、離職しても失業給付を受けなければ、多分その期間は、被保険者であった期間として合算されると思いますが、自信はないです…。給付の際にハローワークに問い合わせて見てください。
※受給期間の日数はちょっと古いデータを見たので、現在は日数が違うかも…。
お礼
ご丁寧なお返事ありがとうございました。 よくわかりました。 友人は年収が高かったらしく、上限額でもらっています。 これからの人生設計を考えたときに、失業保険にいつまでも頼っていないで 早く職を探せと言っていいものなのかがわかりませんでした。 お返事の内容を話してみます。