全体の流れから言うと、消火器に関する法規制はそれほど厳しくありません。消防法規全体はかなり細かい規定になっていて、専門家でも読みにくい規定になっていますし、各市町村でさらに細かい規制を掛けている場合もあります。法規に関する詳しい内容は、最終は管轄の消防本部や消防署で確認されるといいでしょう。
しかし、消火器メーカーとしては、消火器が適切に使用できるように、消火器メーカーで自主規制をかけているケースが多いですので、消火器の扱いはメーカー基準に沿って取り扱われた方がいいと思います。
(これからの内容は一般論で説明します。)
一般の建物等では消火器の設置や整備に規制がありますが、実は危険物施設に設置する消火器については設置数量の基準があるのみで、交換や整備等についての基準は今のところありません。ただ、万一の時に使う物ですから、いざというときに不具合が起きると困るので、実務では一般建物に置く消火器の点検基準に準じて半年ごとに消火器の機器点検を行っているのが現状です。
消火器自体の法的な有効期限はありませんが、メーカーの責任で使用期限を決定して表示しています。(どちらかというとメーカーの製造物責任に基づく耐用年数の設定です。)
薬剤の交換基準については法規制はありませんが、メーカー推奨により、化学泡消火器は1年ごとに薬剤交換となります。粉末消火器も吸湿による詰まり防止のため、5年で中の薬剤を交換します。
泡消火器の古い薬液に関しては、消防通達上は2つの液体を水で希釈して水を流しながら、液ごとに間隔を置いて下水に流すこととなっていますが、この法規自体が30年前の非常に古い通達で、現在では環境問題のこともあるため不適切です。今では消火器メーカーに問い合わせて適切な処理(基本的にメーカー引き取り)を行った方が無難です。
訓練に関しては、粉末消火器形のものであれば、訓練用の消火器がありますのでそれを使用した方がいいです。化学泡に関しては訓練用があるかどうかは何とも言えませんが、消防署に問い合わせれば指導があります。
参考までに、消火器メーカーの1つである初田製作所の消火器HPのURLを表示しておきますので、一度見られるといいと思います。
以上、6類消防設備士からでした。
補足
早速の回答ありがとうございます。 「○年で交換が必要」的な法的規制は無いとの事ですね。 数年おきにサンプリング調査をし劣化具合で判断するのでしょうか、サンプリング調査の結果次第では10年以上も使用可能なのでしょうか? あと、泡の廃棄方法についても分かったら教えてください。 TVのニュースなどで見る飛行機事故やタンク火災で大量の泡を放出していますが、あの後泡はどうなっているのでしょうか?消泡剤をかけて水で流すのでしょうか、あれだけ大量で広範囲だと回収は不可能だと思うのですが?