溶解パラメーターは基本的に25℃での値を表示します。
もちろん温度が変化すれば、本質的に変化します。
ナフタレンは、25℃では、固体になっていますが、書籍を調べたところ
25℃で液体であると仮定したときの値がついていました。
具体的にどのように求めたかは分かりませんが、
多分、ナフタレンの沸点から25℃における蒸発熱を類推したのでしょう。
また、成分分けもしてあるので、成分分けの科学的な賛否は別として
記載しておきます。
まずは、成分分けしない(拡張していない)SP値です。
(単位は旧単位系です。現在の単位系に直すのならば、2.04をかけてください。)
ナフタレン 9.9
1,1,2,2,-テトラクロロエタン 9.7
テトラクロロエチレン 9.3
クロロベンゼン 9.5
o-ジクロロベンゼン 10.0
成分分け
分散力成分 極性成分 水素結合成分 合計
ナフタレン 9.4 1.0 2.9 9.9
クロロエタン 9.2 2.5 4.6 10.6
クロロエチレン9.3 3.2 1.4 9.9
クロロベンゼン9.3 2.1 1.0 9.6
o-ジクロロ 9.4 3.1 1.6 10.0
ご存じの通り、それぞれの成分の二乗和が合計の二乗と等しくなります。
本来、この合計値と拡張していない一般のSP値とが等しくなりますが、
ものによって、幾分ずれているものがあります。
これは、はじめに示した数値が純粋に熱力学的に決定したものであり、
合計と示した数値は、経験的に求めた数値であるとのことと書かれています。
それが何を意味するのか、私は理解していません。
一般に蒸発、沸騰出来る物質は、沸点を測定し、それから25℃における蒸発潜熱を
Hildebrandの法則を用いて類推するのが一般的だと思うのです。
そのようにして蒸発潜熱を求めて、SP値を計算したのを熱力学的、
種々の極性、非極性溶媒との溶解性から求めた数値を経験的といっているのでしょうか???
pジクロロベンゼンの数値は、その本にはありませんでした。
化学式(構造式)からSP値を類推する方法は、種々提案されています。
それを利用した推定値でよければFedorsの式でも使えばよいと思います。
ちなみにFedorsの原子団別蒸発エネルギー、モル体積ともoとpに差はないので、
計算値はどちらも同じとなります。
お礼
ありがとうございます。 御礼が遅くなり、すみません。 わざわざ計算までしていただいて、大変参考になりました。 教えていただいた数値を参考に、仮説をたてることが出来ました。 ありがとうございました。