放射率というのを考えてみました。
熱運動のエネルギーは原子の運動エネルギーの領域です。それに対応する電磁波の波長領域は赤外線です。
物質を構成している原子は全て熱運動をしています。
でも熱運動をしている原子が全て赤外線を出しているとは限らないのです。
赤外活性、赤外不活性という言葉があります。
極性がなければ不活性です。酸素や窒素は極性のない分子ですから赤外線を放出も吸収もしません。電荷があっても非対称な動きをしなければ赤外活性になりません。水の分子のH-O-Hの角度が変わるような振動は赤外線の放出、吸収に関係します。H-Oの長さの変わる振動は大きなエネルギーが必要ですので常温付近では起こりません。
黒体輻射の考えが当てはまるのは温度に応じて対応する電磁波の振動が必ず励起されている場合です。どの振動数の振動のモードも存在していること、どの振動のモードも赤外活性であることの2つが条件になります。
分子性物質は基本的に中性ですから極性が存在しない限り赤外不活性です。イオン性物質は電荷を持った粒子が構成要素ですからイオンが運動すればたいてい赤外活性になります。特別なイオンの組というのが存在していなくて全体がつながっている構造ですから振動の順位もバンド的に広がっています。赤外線の吸収、放出の能力が高いということになります。
チタン酸バリウムはよく知られた強誘電体です。イオンの位置が協力現象的に変化する物質です。振動も起こりやすいのではないかという予想が出来ます。
お礼
なるほど。どうもありがとうございます!