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2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)の減圧蒸留について
2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)の減圧蒸留について質問です。 2-HEA(2-ヒドロキシエチルアクリレート)の減圧蒸留を行い、モノマー中に存在する安定剤(重合禁止剤)を除去を検討しようと思っているのですが、蒸留中に重合してしまいます。 沸点が結構高いため、減圧下にしても、ウォーターバスの温度を70℃以上まで上げなくてはいけません。 どうしたらうまく蒸留できるでしょうか? また、アクリレート系モノマーは熱による熱重合しやすい傾向があるのでしょうか?教えてください。
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(メタ)アクリレートモノマーは特に無酸素条件下では熱重合しやすい性質があります。 (しかもアクリレートはメタクリレートと比べて架橋ポリマーを生成しやすいのでやっかいです。フラスコの中にゼリー状の固まりができて、器具の洗浄に苦労しませんでしたか?) 蒸留中にどうしても重合してしまう場合、重合禁止剤を多少追加してから蒸留すると重合を防げると思います。 そもそも試薬瓶に入っている状態では、室温で安定に保管しておくのに十分な量の重合禁止剤が添加されていますが、蒸留中は長時間加熱しますので不十分となる場合があります。 (メタ)アクリレートの重合禁止剤としては大抵、ヒドロキノン(HQ)またはヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)と呼ばれる物質が使われています。禁止剤の使用量は、保管用なら100ppm、加熱するなら0.1wt%くらい添加しておけば良いと思います。 添加しすぎもよくありません。禁止剤の蒸気圧が上がり、特に蒸留を攻めすぎると留分に禁止剤が入ってきてしまう可能性があります。 上に挙げた禁止剤がない場合、他のヒドロキノン類やカテコール類でも効果があるはずです。 重合禁止剤としてはそのほかにフェノチアジンなどの含窒素・含硫黄化合物や、二塩化銅などの金属塩が知られています。 二種類以上使った合わせ技もあるようですが、実験室レベルではそこまで凝らなくても…。 (減圧)蒸留以外で重合禁止剤を除く方法として一般的に用いられる方法としては、 (1) 塩基性(NaOH等)水溶液で洗浄 (2) 塩基性アルミナカラムで濾過 などがあります。 2-HEAが水に難溶であり(OHがついてると?ですが)、かつ厳密な水分の除去が必要でなければ(1)で十分だと思います。簡単ですよ!
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- htomo
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>どうしたらうまく蒸留できるでしょうか? 正直わかりません。そのHEAは新品ですか? もしかしたら、古いものを使用していませんか? 古いものは劣化しており、その分解物がラジカルを生じやすく高温時で重合が開始している可能性があります。 私も学生の頃ですが、HEMA(2-ヒドロキシメタクリレート)を減圧蒸留したことがあります。 その時の条件は温度88~90℃、減圧7~9mmHgでした。 問題なく蒸留は可能でした。 (参考)HEMAの沸点は205℃、HEAのそれは192℃ >アクリレート系モノマーは熱による熱重合しやすい傾向があるのでしょうか? メチル基が存在しない分、立体障害がないため、メタクリレート系よりも反応性に優れます。ゆえに、熱や光による反応(重合)は生じやすいです。
お礼
アドバイスありがとうございます。 HEMAの蒸留は問題なく行うことができました。 HEAの場合はhtomoのおっしゃるとおり、古い試薬を使用していたため熱重合した可能性があります。 的確なアドバイスありがとうございました。
お礼
蒸留で重合禁止剤を加えて行ってみたいと思います。 塩基性水溶液で重禁剤の除去ができるとは知りませんでした。 アドバイスありがとうございました。